不良ガールは狐に化ける。２ (ページ15)

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一同、驚いたように「は？」という顔を揃える。

治「え、マジで！？」

銀「サッカーって……あの球技大会で暴れてた時の？」

角「めちゃくちゃうまかったもんね、あの時」

『でも、やるつもりはなかったの。そんなん、向いてないって思ってたし……何より、当時は荒れてたしね』

少し照れくさそうに笑って、空を見上げる。

『でも、稲荷崎で……みんなと過ごして、頑張ってる背中見て、なんか、変わっちゃった』

侑「……」

『また、サッカーやってみようかなって。そしたら推薦の話も来て、大学、決まっちゃった』

治「すげえやん！」

銀「かっこいい……！」

角「やっぱり、Aはすごいよ」

『別に、すごくなんかないよ。ただ、やっと“やってみたい”って思えただけ』

風が少し強くなって、4人の制服の裾を揺らした。

侑「……やっぱ、オレらもAに感化されてたかもな」

『何それ。そっちが先でしょ』

治「でもまあ、ええ終わり方や」

銀「終わりじゃないですよ。……きっと、始まりですね」

角「また会えるといいね、何年後かに、みんなで」

『うん』

空はもう春の色に変わっていた。

卒業証書が入った筒を抱えて、私は静かに笑った。