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1セット目、稲荷崎のテンポに飲まれた烏野は防戦一方。
強打のコンビが炸裂し、25-15で稲荷崎先取。
2セット目、烏野の粘りが光る。
つないでつないで、時間をかけて、最後はストレートで決められる。25-22、烏野が奪取。
観客の熱気も最高潮。
『まだ崩れてない。冷静に、点数だけを見て』
治「了解」
角「焦る必要ない」
銀「ボールに集中する」
侑「……ラスト、決めたる」
そして、最終セット。
デュースまでもつれる死闘を──
侑「ラストォォ!!」
治「いけっ!!」
──銀島のサービスエースで試合終了!
稲荷崎勝利。
侑「やっっったああああああ!!!!」
『……ほんとに、勝った……』
北「ようやった」
マイキー「……鳥肌立ったわ」
千冬「言葉になんねぇ……」
準決勝。
相手は前年の優勝校。冷静なサーブと巧みな連携に押される。
侑と治のコンビで何度も反撃するが、最終セットで突き放され──
角「……届かないか」
銀「いや、全力は出し切った」
『うん……胸張っていいよ』
試合後、倒れ込む侑を私が支える。
侑「悔しいはずやのに、なんでこんな……スッキリしてんやろな」
治「やりきったからやろ」
改札の前で、先輩たちと、東卍組が見送りに来ていた。
北「お疲れさん。ほんま、ええもん見せてもろた」
武道「A、カッコよかった」
千冬「絶対泣かんだろって思ってたのに……泣いたわ俺」
マイキー「次、どんな道行くか知らねぇけど──どこでも輝けるよ」
侑「……ほんまありがとうな」
私は小さく笑って、ホームに向かって一礼した。
『行ってきます』
春の全国大会。
稲荷崎、ベスト4。堂々の成績で幕を下ろした。
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心 - 終わり方最っ高です‼︎ (8月8日 13時) (
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