3-23.ぶりっ子ちゃんの本音 ページ24
「ごめんね朝戸衣さん……！ こんなサイト、見せちゃって」
「ううん、むしろありがとう♡ おかげでぶりっ子の現実を知れたんだから♡」
泣きそうに八の字眉を歪める蘭ちゃんを「ももえがお」で慰める。震えの止まった指でトップ画面のくまさんとお別れしながら、わたしは心に燻る本音を口にした。
「……でも、違う。こんなの、違う。おかしいよ。どのぶりっ子も、みんなから嫌われるために、憎まれるために生まれてきたようなものだもん。確かに、ぶりっ子に悪女役があてられるのは不思議なことじゃないし、仕方ないと思ってるけど……。けど！ ぶりっ子にはそれしかないの……？ 悪女にしかなれないの……？ もえたんと同類だから、そうやって庇いたくなるだけなのかな……」
とりとめもなくポツリポツリと呟く。蘭ちゃんに言っているのか、己に問いかけているのか、自分でも分からなかった。
暫し沈黙が漂ってから、蘭ちゃんがおずおずと声を発した。
「私ね……正直、ぶりっ子はちょっと苦手だったんだけど、それでも心から好きだと思えるぶりっ子が、ふたりだけいるの」
遠慮がちにこう続ける。
「『マジカル少女☆かなえちゃん』って知ってる……？」
思わずツインテールを激しく揺らしながら顔を上げた。いてもたってもいられなくなり、本棚に駆け込む。
「知ってる……知ってるよっ！ 大好きだったもん！」
たった昨日手に取った一巻を蘭ちゃんに見せると、ぱっと顔を輝かせた。
「そう、それ……っ！ 私、ひめのちゃんが好きだったの……！」
ひめのちゃん。主人公かなえちゃんの友達だ。
「ひめのちゃんは、普段はちょっとドジなかなえちゃんをからかったりするし、周りが引いちゃうくらい面食いのぶりっ子なんだけど、でもただ意地悪っていうわけじゃなくて、かなえちゃんが本当に落ち込んでる時はぶりっ子テンションで一生懸命笑わせようとするし、困ってる時は優しく手を差し伸べる子で――私は、そんなひめのちゃんが、昔から大好きだった」
平生とは打って変わり、蘭ちゃんは淀みなく喋った。自分の意志で。自分の言葉で。曇りなき自信と、絶対に伝えるんだという気概を持って。
――わたしのプレゼンの提案に賛成してくれた時も、そうだった。
返答も忘れてぼうっとしているわたしに気づいたのか、我に返り、遠慮がちな口調に戻った。
「え、えっとね……だから、ひめのちゃんのぶりっ子は、悪いものじゃないと思うの……」
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やま(プロフ) - 面白いです、笑っちゃいました。 (2021年9月19日 13時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、真白と同一人物です！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 思わず笑っちゃいました！しかも、なんか余計にクラスの人に�猜僂陛朖瓩辰道廚錣譴修Δ覆海箸鬚錣兇錣供帖帖帖帖�この小説凄く面白いです！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ぶりっ子についてプレゼンする人なんてそうそういないですよね（苦笑） (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» ありがとうございます！！一人一人の登場人物をこんなに丁寧に見てくださって本当に嬉しいです！（いつか名前も覚えていただければ大変恐縮です！）りうむちゃんのことも好きになってもらえて嬉しいです、ぜひ推してあげてください！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2019年12月7日 15時
