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「ヌナ、コーヒー淹れたから飲みな」
背後で声がして、ガレージの扉を閉め部屋に戻るとミンギュがソファに放ってあった上着を手に取りそれを羽織りながら"なかなか良い秘密基地でしょ"と私に言った。
「ほんとにふたりで、なんて言うんだっけこういうの。ああ、DIY、DIYしたの？」
「まあ大体は。水回りとか空調系は業者に来てもらったけど」
「すご過ぎてすごいしか出てこない」
「ふ、あそうだ。コーヒーにミルク入れたかったら冷蔵庫にあるから勝手に使って」
「ミンギュどこ行くの」
「ああ、車持ってこようかと思って。港の駐車場に停めたままだから」
「私の荷物」
「うん、それも一緒に持ってくるよ」
"あ、"と思い出したように短い声を発して扉を押し開けて出て行こうとするミンギュに慌てて駆け寄った。ミンギュは足を止めて私を見下ろし、なに、とだけ言う。こそこそと小さな声で私はミンギュに念の為、確認を入れた。
「あの事、スンチョルには言ってないよね」
「あの事って？」
「だからその私が帰ってきた理由っていうか」
「ヌナが無職の一文なしだって話？」
「ちょ、…一文なしではないし。少しくらいは貯金が、」
「言ってないよ、大丈夫」
「…そう」
「んじゃ、ちょっと行ってくるから待ってて」
「あ、うん」
ミンギュが扉を押し開けて外に出て行く音が小さく響いた後、部屋には静けさが戻って、壁に映っている映画のヒロインのセリフだけが聞こえる。私はゆっくりと歩みを進めて改めて部屋をぐるりと見渡す。おしゃれな家具や間接照明の柔らかい光が、なんだかほっとした。まるでここだけ違う時間が流れているみたい。
ダイニングテーブルまで歩いて行って、そこに用意されたコーヒーが注がれたマグカップを手に取った。ふいにソファに目を向けると、香ばしい香りのする湯気越しにスンチョルが片肘を背もたれに預けて座り、じっと私を見ている。無表情だけど、視線には鋭いものが宿っている。
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ばくちゃん(プロフ) - りりさん» りりさん、ありがとうございます (3月3日 0時) (
レス) id: d467c90aec (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - すごく好きです、更新楽しみにしてます、出てくる4人全員好きです。お母さんも好きです。元彼は多分好きにならなさそうです (3月2日 12時) (レス) @page47 id: 1885eeea1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばくちゃん
| 作成日時：2025年1月13日 16時
