化け物が百二十三匹。 ページ36
「言っただろ。
「！！」
「俺だけじゃ踏めねぇよ。お前と一緒じゃねぇと。そういう約束だ」
目を見開く俺に轟は頬を緩める。
「No.2ヒーローの所なら、お前の父親と同じ個性婚を計画したクソ野郎の側なら。お前もきっと、小さくとも収穫を得られるはずだ」
「……」
「そうすれば俺も早くスタートラインを踏める。それが俺の得だ。……どうだ？これで納得したか」
なんだソレ。約束とか、んな大層なモンをした覚えはねェよ。ただ一言二言交わしただけの、確実性も意味もない会話。俺が「そんなこと言ってない」と言えば、消えて無くなるような弱い言霊。
そんなモンを律儀に守って、コイツは俺を誘ったって？
「…………バカはどっちだよ」
「ん？なんか言ったか？」
「あ゛ぁ？黙れクソ野郎って言ったんだよ」
「え……悪ぃ」
戸惑ったように目を瞬かせた轟は、悪いなんて一ミリも思ってないくせに謝る。その後、行かねぇのか？と問われた。
「……」
その問いには答えず、俺は机の中からグシャグシャに丸められていた職場体験先の希望を書く紙を取り出し、文字が書きやすいように乱暴に皺を伸ばす。
そして机の中に転がっていた鉛筆を取り出すと、ガリガリと文字を書いた。
「オラ」
「！」
書き終わった紙をまたグシャグシャに丸めて轟に投げる。
すると轟は頭の上にハテナを浮かべて紙を開き、そこに書かれた言葉を目に入れた瞬間顔を上げて俺を見た。
「一之瀬、これ」
「テメェがうるせェからしょうがなく、だ。感謝しやがれ」
「あぁ、ありがとう」
すぐ素直に感謝の言葉を言った轟に、やっぱりコイツのがバカだと確信する。
……その後、「でもこの紙と字の汚さはどうかと思うぞ」という轟の発言で俺がキレるまで後五秒。
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名前決まらないドン(プロフ) - 戻ってくる事を祈って待っております (2019年5月11日 13時) (
レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
あげあげ！ - 主人公のツンツンデレ具合がちょうど良すぎて死にそう(吐血) (2018年7月16日 23時) (レス) id: 94845ca325 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - うふさん» あなた様にこの小説が読み返されていることがとても幸福です！確かにみんな格好良いですよね…！ (2018年7月14日 13時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
うふ - 読み返すたび毎度思う、全キャライケメン。 (2018年7月12日 3時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 餅原 葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！一之瀬君が人気でとても嬉しいです…！そう言っていただけて本当に有難いです！更新頑張らせていただきます！ (2018年7月3日 18時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年12月25日 19時
