化け物が百二十一匹。 ページ34
「一之瀬？」
「！……んだよ」
「いや、お前が俺の顔見て固まってるから。俺の顔になんかついてるか？」
不思議そうに自分の顔をさする轟に、俺は小さく息を吐いた。
確かコイツは、母親に会いに行ったんだよな。
自分の顔面に熱湯を浴びせた母親に。
自分が苦しめた母親に。
ずっと会えなかった母親に。
それが、スタートラインだからと。
……それで今笑えてるってことは、ちゃんと話せたんだな。踏めたんだな。スタートライン。
……じゃあ、俺は？
俺のスタートラインは、『過去を乗り越える』ことだとアイツは言ってた。
でも過去ってなんだ。どのことを言ってんだ。乗り越えるって、具体的にどうすりゃいい。
『包帯！なんで巻いてんだって聞いてんだよ！！』
『俺ぁ言ったよなぁ！？てめぇみたいなザコが化け物のわけねぇって！！てめぇはただの人間だって！！』
『ンなもんさっさと乗り越えてこい！俺はそう言ったんだ！！』
『っ無駄だったんだな！？あの時間も、俺の言葉も！何一つ伝わってなかったんだな？！』
急に、昨日のアイツの怒鳴る姿が浮かんだ。
「一之瀬。俺と一緒に行こう」
「…………はァア？」
ぱっと、突然俺の耳に明らかに異質な言葉が響く。
その驚きで俺の考えていたモンは全部弾けて消えちまった。
「職業体験。俺と、エンデヴァーの所に行こう」
「ッは、なんで俺が……！！てか俺はオマエと違って、んなとこから指名来てねェし」
「大丈夫だ。本人から許可取ったから」
「あ？！」
「お前の個性の話したら簡単にオーケーした。あいつはオールマイトに気持ち悪ぃぐらい執着してるからな。力を強化する個性って聞いて興味持ったんだろ」
「いッみわかんねェ！！」
俺無しでいつのまにか進んでる話にストップをかけると、轟はきょとんと目を丸くして首を傾げた。
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名前決まらないドン(プロフ) - 戻ってくる事を祈って待っております (2019年5月11日 13時) (
レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
あげあげ！ - 主人公のツンツンデレ具合がちょうど良すぎて死にそう(吐血) (2018年7月16日 23時) (レス) id: 94845ca325 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - うふさん» あなた様にこの小説が読み返されていることがとても幸福です！確かにみんな格好良いですよね…！ (2018年7月14日 13時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
うふ - 読み返すたび毎度思う、全キャライケメン。 (2018年7月12日 3時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 餅原 葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！一之瀬君が人気でとても嬉しいです…！そう言っていただけて本当に有難いです！更新頑張らせていただきます！ (2018年7月3日 18時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年12月25日 19時
