化け物が百五匹。 ページ18
「起立、礼！」
「「ありがとうございました！」」
あれから数時間。
人間共の無駄に元気の良い挨拶の後、授業終了の鐘が鳴る。
その瞬間クラスの空気がふっと緩まり、ソイツらは口々に「腹減ったー！」「今日何食べよっかな」「食堂混む前に行こ！」とかなんとか零して大体が教室を出ていった。
全授業を机に体を伏せて聞いてなかった俺も、その声を聞きやっと終わったかと気怠く立ち上がり欠伸をする。
俺は飯を食う気はねェが、ここに居るつもりもねェからもう俺の特等席となった屋上へ向かおうとした。
「あ、待ってAくん！」
「……あ？」
がチビに呼び止められて、俺は嫌そうな顔で首だけ捻って後ろを向く。
それにチビは慣れたのかスルーし、相変わらずのアホ面で俺に質問した。
「ね、Aくんって、いつもどこでご飯食べてるの？」
「は？」
「ほら、君毎回授業終わったらすぐどっか行っちゃうでしょ？だから気になって」
「食べてねェよ」
「え？」
「俺は昼飯は食べねェ主義だ」
「「ええ？！」」
俺の答えにチビと隣に居たもじゃ男が声を裏返させて驚く。
その反応に俺がなんだよ文句あんのか、と更に目つきを鋭くすると、もじゃ男はたじろぎながら早口で告げた。
「で、でも食べなきゃ体持たないんじゃ……午前中の授業だって難しいしどんどん進むから必死に頭を回転させなきゃいけなくて疲れるし、午後のヒーロー基礎学なんて頭も体も使うんだからもっと」
「ごちゃごちゃうるせェ黙れ」
「あ、ご、ごめん！」
「んなノミみてェな声でボソボソ言われてもうぜェし腹立つだけだっつーんだよ」
「ノ、ノミ……」
てかなんだコイツ。俺授業中寝てんの知らねェのか？
そう考えながら軽く舌打ちをすると、チビがまた聞いてきた。
「なんでご飯食べないの？」
「……必要ねェからだ。別にんな腹も空かねェし、めんどくせェし」
「……食べられないわけじゃないんだ」
「あ？」
「じゃあもし！もし目の前にご飯が出されて、食べてって言われたら食べる？」
「……さァな。気分によるし、物にもよる」
なぜか目を輝かせながら質問してきたソイツに不信感を覚えて顔を顰める。
だがチビはそんな俺に気づかず満足そうにそっかと呟くとニコニコ笑っていた。
気色悪ィ。マジで頭イかれてんじゃねェの？
「おいテメェ何企んで＿＿」
「オイ」
「！」
ダン！と。
俺の言葉を遮って、突然その打撃音は目の前で響いた。
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名前決まらないドン(プロフ) - 戻ってくる事を祈って待っております (2019年5月11日 13時) (
レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
あげあげ！ - 主人公のツンツンデレ具合がちょうど良すぎて死にそう(吐血) (2018年7月16日 23時) (レス) id: 94845ca325 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - うふさん» あなた様にこの小説が読み返されていることがとても幸福です！確かにみんな格好良いですよね…！ (2018年7月14日 13時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
うふ - 読み返すたび毎度思う、全キャライケメン。 (2018年7月12日 3時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 餅原 葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！一之瀬君が人気でとても嬉しいです…！そう言っていただけて本当に有難いです！更新頑張らせていただきます！ (2018年7月3日 18時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年12月25日 19時
