化け物が百八匹。 ページ21
「……ッ」
いやそうだ。
そもそも、伝わってないわけがねェんだ。
だって俺は、あのとき脳裏に焼きついたオマエの目を、表情を、言葉を、全部を。
一生忘れられそうにねェんだから。
「違ェよ死ね！！」
「？！」
思ったままに叫ぶと、俺はソイツの足を引っ掛け体制を崩し、ぐるんと反転させた。
するとさっきとは逆に、今度は俺がソイツを押さえつけている形になる。
「っは？！てめぇなにす」
「おし爆豪ストーップ！」
「「？！」」
暴れ出そうとしたソイツを、今まで居なかったはずの赤髪が制した。
まあまあ落ち着けってと笑顔でなだめ、ほら一之瀬も、な？と俺に目で退けるよう訴える。
でもそれを素直に聞くわけがなく、無視して退かずに目の前のヤツを睨みつけていると、急にぐいっと後ろから肩を引っ張られた。
「やめろ」
「あァ？！んだよ偉そうに離しやがっ……！テメェ」
その手の正体は、轟だった。
「お前らが教室で暴れるから、他の奴らが入れなくて困ってる。もうすぐ鐘が鳴るのに」
「知るか！！喧嘩売ってきたコイツが悪ィんだろうが！文句ならコイツに言え！！」
「ハァ？！元はと言えばてめぇが、ッ」
「どうどう！爆豪、頼むから抑えてくれ！」
「……はぁ」
激昂してまた俺に掴みかかろうとしたソイツを赤髪が後ろから羽交い締めし、轟が俺とソイツの間に入る。
「爆豪」
「あぁ？！んだよ舐めプ野郎！！」
そして轟は、いつもの澄ました顔で言い放った。
「人間、そんな簡単に変われねぇよ」
「！！」
「いくら変わろうと決めたって、今までずっとそうやって生きてきたんだ。自分なりに強い考えを持って、それが正しいと信じて」
「……」
「……それを、何年間もかけて身に染み付いた考えを、生き方を。経った数日ぐらいで変えれるわけがねぇだろ」
静かに淡々と言葉を紡ぐ轟は、歯軋りをしながら目を釣り上げて自分を睨むソイツの目を見て、その後困ったように小さく眉を下げた。
「少しずつなんだ。少しずつ、確実に変わっていかねぇといけねぇんだ」
「ッんなチンタラしてる暇なんてねェだろうが！！」
「わかってる！」
「！」
轟は珍しく声を荒げた。
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名前決まらないドン(プロフ) - 戻ってくる事を祈って待っております (2019年5月11日 13時) (
レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
あげあげ！ - 主人公のツンツンデレ具合がちょうど良すぎて死にそう(吐血) (2018年7月16日 23時) (レス) id: 94845ca325 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - うふさん» あなた様にこの小説が読み返されていることがとても幸福です！確かにみんな格好良いですよね…！ (2018年7月14日 13時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
うふ - 読み返すたび毎度思う、全キャライケメン。 (2018年7月12日 3時) (レス) id: 54f25622c3 (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 餅原 葵さん» 初めまして、コメントありがとうございます！一之瀬君が人気でとても嬉しいです…！そう言っていただけて本当に有難いです！更新頑張らせていただきます！ (2018年7月3日 18時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：●龍● | 作成日時：2017年12月25日 19時
