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しばらくは適当にいなしていたけど、そいつが離れていく気配もない。
どうしたものかと思っていたが、見兼ねたパートさんが「何かお困りですか?こちらで対応させていただきますね〜!」って無理やり割って入ってくれた。
その隙にバックヤードへと逃げ込むことで、俺は一応事なきを得た。
それ以降、毎日通っているのか、俺のシフトが入っている日は毎回その男が現れるようになった。
レジ担当の時はすぐに流れていってくれるからまだマシだけど、最初の時みたいに品出しや点検作業中に捕まってしまえば、かなりの時間を取られる。
何より、そろそろ目付きがやらしくなってきたので本当勘弁してほしい。
怖い、なんてことは無いし、今のところ何か被害があるわけじゃ無いけど。
精神的にしんどいのは確かで、心配性の恋人に負担をかけたく無いこちらとしては、クソほど迷惑なのだ。
「伊野尾くん、こんばんは」
なんて作業しながら考えてたら、例の男のお出ましである。
音もなく背後に立たれて、もうドン引き。
うんざり。気分は最悪。
でも顔に出すなんて以ての外なので、にっこり笑って、いらっしゃいませぇ。って営業スマイル。
俺、接客向いてねえな。
いつも通り適当に相槌打って、テキトーにニコニコしながら作業を進めていたら、ぎゅっと手首を捕まえられた。
今まで触れてくる事は一切なかったから、驚いてそいつを見ると、目の奥がびっくりするほど熱を孕んでいた。
強く握られている手首がじっとり湿ってきて、背筋がゾッとする。
あれ。今日、なんかヤバイぞ。
「ねえ連絡先教えてよ」
「へ、あ、いや、お客様には従業員の情報を教えることができない、決まりになってますから」
「じゃあ仕事が終わるまで待ってるよ、そのとき教えて。いつ上がる?」
「いや、こまります」
「なんで、いいでしょ。教えてよ。」
適当に対応したのが裏目に出たらしい。
こいつ、すっかりマウント取ってると思ってる。
まあ、お客様相手に強く出れないのは確かなんだけどさ。
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かじ(プロフ) - 佐々木さん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。拙い文ですが、楽しんで読んでもらえたら幸いです。 (2018年7月5日 0時) (レス) id: cc9d60b609 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木 - すぺてのお話がキュンキュンします。次のお話も楽しみにしています。 (2018年7月3日 21時) (レス) id: e2f78d2bae (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - 特にことばにできないが大好きです!伊野尾くんが幼い感じのおはなし待ってますね、、、 (2018年6月27日 22時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
かじ(プロフ) - 琳さん» はじめまして。ご丁寧に感想をありがとうございます。恐縮です。拙い文ですがこれからも読んでいただけると嬉しいです^ - ^ (2018年6月27日 22時) (レス) id: 76a26e19db (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - かじさんはじめまして!いつも楽しく読ませてもらってます!!すごく大好きなお話ばかりで更新が楽しみで仕方ないです(*´∀`*)これからも頑張ってください! (2018年6月27日 21時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かじ | 作成日時:2018年6月17日 23時