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屋上前の踊り場に辿り着くと、逆光だけど、もはや見慣れたシルエットが振り向いた。
「いのちゃん」
モデルみたいにすらっとした手脚と、整った顔。爽やかを絵に描いたようなイケメンが、ここへ来る度に俺を出迎えてくれる。
どこをどう見ても健全な男子生徒だけど、目の奥の温度だけがやけに熱くて、
射抜かれるみたいに心臓がきゅんとした。
「最近多くない?」
「ん、ゆうとに会いたくて」
擦り寄って、ゆうとの首に腕を回す。
そうするだけで、後は全部ゆうとが勝手に俺を甘やかしてくれるのだ。
「嘘つき、イイことしたいだけでしょ」
「んふふ、うそじゃ、ないよお」
頰を撫でる手があったかくて、鼻から抜けるような笑い声が漏れる。
くすぐったくなって、火照った顔をゆうとの首筋に寄せると、嗅ぎなれてしまった匂いが強くなって、背筋がゾクゾクして、全身がきゅん、ってする感覚。
「あついよ、」
ゆうと、って、じっとりとしたお願いの視線を向けると、今まで貼り付けていたさわやかな笑顔が崩れて、満足そうな、ゆうとの本性が顔を覗かせた。
その顔、大好き。
身体中が熱くなり過ぎて、痺れたみたいに上手く動かせなくなる。
何にもされていないのに、もう膝から力が抜けてしまいそうで、腕を背中に回して縋り付いた。
持て余した熱を逃がしたくて、中途半端に開いた口から漏れ出た溜息は、思っていたよりもずっと熱かった。
その吐息ごと、ゆうとが俺の唇を奪う。
大きな手が俺の後頭部から首筋をゆっくり滑っていく。
「今日は、手加減しないから」
あ、もう限界。
(終)
song by バレリーコ / みきとP
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かじ(プロフ) - 佐々木さん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。拙い文ですが、楽しんで読んでもらえたら幸いです。 (2018年7月5日 0時) (レス) id: cc9d60b609 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木 - すぺてのお話がキュンキュンします。次のお話も楽しみにしています。 (2018年7月3日 21時) (レス) id: e2f78d2bae (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - 特にことばにできないが大好きです!伊野尾くんが幼い感じのおはなし待ってますね、、、 (2018年6月27日 22時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
かじ(プロフ) - 琳さん» はじめまして。ご丁寧に感想をありがとうございます。恐縮です。拙い文ですがこれからも読んでいただけると嬉しいです^ - ^ (2018年6月27日 22時) (レス) id: 76a26e19db (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - かじさんはじめまして!いつも楽しく読ませてもらってます!!すごく大好きなお話ばかりで更新が楽しみで仕方ないです(*´∀`*)これからも頑張ってください! (2018年6月27日 21時) (レス) id: fb58b76c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かじ | 作成日時:2018年6月17日 23時