ページ ページ37
.
途中、パン屋らしい小太りおじさんの絵の隣を通り過ぎようとしたとき、スネイプがぴた、と立ち止まった。
そして、わざわざ「不本意です」という顔で早口に言う。
「エドワード、彼女に適当なパンを」
「エドワードさん、な。君は昔から変わらんね、セブルス」
「……エドワードさん、彼女に適当なパンを」
「はいはい」
ユリはびっくりした。
やはり、絵との会話を見るのは今でも慣れないし、今回に至っては絵の中から目玉焼きとベーコンのイングリッシュマフィンがにょき、と出てきて、目を剥く。
それが床に落ちる前にスネイプが受け止めユリに手渡して、さっさと先へ行ってしまった。
魔法って何でもありだな、と思いながら頬張っていると、大広間の前に壁で指示を出すマクゴナガル先生の姿が見える。
「あ、マクゴナガル先生おはようございます」
「おはようございますミス・グリンデルバルド。こんな時間にスネイプ先生と一緒ですか」
「はい。迷子になったので案内してもらってます。これなんですか？」
ユリはマクゴナガル先生や他の先生が張り出している紙を指さして言った。
「見ればわかるでしょう。学年末テストの成績です」
「……そんなのもありましたねえ」
あまりにも情報量が膨大でそれが成績表だとわからなかったのだ。
「賢者の石」の一件でスッカリ頭から抜け落ちていた。
決して少なくはないホグワーツの生徒全員分の成績が一挙に貼り出されている。
残酷なシステムだと思ったが、落第者はいないようでユリはとりあえず肩から力を抜いた。
ユリは一年生の表に上から目を走らせ、ハーマイオニーの学年トップの成績に一瞬目を止めてから。
そしてそのふたつ下の自分の一行を左から右に見て。
そのあとで、スネイプの方を慌てて向いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 584人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にはろ(プロフ) - 理緒さん» ご意見ありがとうございます！修正しました。今後ユリという名前に関する記述が少し出てくるかと思いますが、無視していただければ大丈夫です。 (2022年4月19日 21時) (
レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
理緒(プロフ) - 名前ってユリになってるんですがリノを使いたいのですが変えれませんか？ (2022年4月19日 10時) (レス) id: 946438c0c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みや。 | 作成日時：2022年1月24日 13時
