【HQ】ゴミ溜め四人衆、見参。【稲荷崎】

謹賀新年 ページ22

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「ッしゃあ大吉！」

「"待ち人：既にいる"……」

「怖」

「サムは？！おいサム！！」

「うっさいねん。大吉やのにお前のせいで逆にテンション下がるわ」

「俺も大吉や」

「俺も〜」

「俺も！」

「私も大吉」


年も明けたことだし、初詣に来ている。

異様に幸先のいい新年だ。


もしやこのおみくじ、大吉しか入ってないのでは？


「三好は？」


角名にそう問われ、三好くんは苦笑いしながら紙をこちらに見せた。



「凶！」

「裏切らんわ〜」

「まあ確かに幸薄そう」

「おせちいっぱい食おうな……」

「見して見して見して」



6人でそれを覗き込む。



「あれ？でも意外と大したことない」

「待って、これ」


「"同居：人を変(かへ)よ"」

「え？困る。それは困るこちらが」

「あ、これ。"家庭：絆を固めよ"」

「よし絆固めようぜ」

「別に家族やないんよな俺ら」

「は？家族だよ」

「自分らはな」


とりあえずと銀島にスマホを向けられたので四人寄ってピースする。

何気に寮生四人だけの写真は初めてだった。


「これで固まったべ絆」

「軽い絆だな」


駄弁りながら夜道を歩く。

深夜1時前である。


「てかおせちあんの？」

「うん。正月祝いするのでと加藤に申請出したら予算降りました」

「天才なん？」

「お雑煮も私作るので正月は完璧です。もっと褒めて」

「流石すぎる」

「これは世辞なしに天才」



「天才」しか褒めのレパートリーがないんだろうか。





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