別れ話。 ページ49
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結局日向影山は赤点を取ったらしい。もう知らね。
それにしてもなんだろう、徹が酷く落ち込んでいる。
いつもうるさいのに。特に最近。
インハイ後に周りにケツ蹴っ飛ばされて陽依さんと付き合いだしたのもあって、マジでうるさい。
上機嫌で抱き着かれる回数も増えた。
うまくいってるみたいで腹立つからいつもより押しのける手が強くなっているのは否めない。
でも、何故か今日は落ち込んでいる。
食卓がやけに静かで気まずい。
「どうしたの」
嫌な予感を抱えながら沈黙を破って徹に聞いた。
徹はぐっと声を詰まらせてから、俯いたまま答えた。
「……陽依ちゃんと喧嘩した」
「はっ？！仲直りは？」
ふるふると首を横に振る徹。
「嫌いって言われて、俺も変な意地張っちゃって。……俺、陽依ちゃんのこと好きなのに」
顔を上げた徹は本当に悲しそうな顔で、ああこれは嘘じゃないなと思った。
女の子の扱いは慣れているくせに、好きな子のことになると途端に余裕がなくなる。
小学校の時も好きな子とクラス離れて落ち込んでた気がする。
その時は岩ちゃんがいたから割とすぐ元気になったけど。
「別れ話になっちゃった？」
「……そんなつもりはなかったんだけどね」
何故なのか。ラブラブだったじゃん。
私二人が家にいた時見てらんなくて絶対部屋から出なかったけど。主に徹が。
聞けば、徹のファン関係で陽依さんの我慢がちょっと決壊したらしい。
最悪な別れ方だな……。
とりあえず岩ちゃんたちに迷惑かけんなよと柔らかめに言って話題を変えた。
どうしたものか。
ちなみにこの三日後に、
猛「カノジョにフラレたから暇だってゆったじゃん！(大声)」
大事件が起きるのである。
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作者名：にはろ | 作成日時：2020年3月5日 18時
