邂逅。 ページ42
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特徴的な赤髪の人が五色の名前を呼んだ。
見れば、その集団が着ているのは五色と同じ白鳥沢の制服だ。
「天童さん！なんでここに」
「若利君がカフェ行ったことないっていうから連れてきちゃった！」
天童と呼ばれた人は五色と私との間で視線を行ったり来たりさせながら問う。
「何？この子カノジョ？オフだから浮かれちゃってデート？」
「はっ？！な、違いますよ！俺バレー一筋だし、こんな奴好きになるわけないし！」
「そんな必死に否定しなくてもよくない？」
こんな奴呼ばわりとか、傷ついたわ(大噓)
じゃあ誰だよと言わんばかりの視線を向けてくる天童さんに、軽く会釈をする。
「五色の知人の及川です」
「最早友達ですらなかった」
亜麻色の髪の人がそう言うと、五色がガチで傷ついたような視線を向けてくるので、少し罪悪感を覚える。
これは嘘ではない。
「……及川？」
及川という単語に反応したらしいデカい人が此方に鋭い視線を向ける。
徹の試合で何度か見たことがあるので、一方的に知っている人物。
「兄がお世話になってます」
牛島若利。
徹が目の敵にしている人物である。
「兄？及川の妹か」
「えっ、及川って青城の？スーパーミラクル偶然じゃーん！」
牛若がこちらをじっと見据える。
超怖いが我慢した。
「……及川徹は優秀な選手だ。良い兄を持ったな」
ストレートに兄を褒められ、困惑。
えっ、牛若ってこんなんだったの？
全国三大エースってもっと怖いのかと思ってた。
「及川の妹ってことは、君もセッターなの？」
「あ、いや……」
「此奴は去年の県体でベストセッター取ってます。実力は相当です」
「なんでお前が言うの……」
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作者名：にはろ | 作成日時：2020年3月5日 18時
