及川妹、リベロになる。 (ページ12)

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兄を話す。ページ12

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それから一週間が経った。
どうやら影山たちは無事に入部許可が下りたようだ。

日向影山の他にも、男バレ一年が二人いるらしい。

一人は月島という人で、入学式の時にもなんかデカい金髪いるなーとは思ってた。
もう一人は山口という人で、よく月島と一緒にいるのを見る。
ちなみにどちらも同じクラスだが、話したことはない。

影山の話を聞いた限りだと、月島は性格が悪いらしい。
兄の半分くらいだと。
これは相当性格悪いな。

「そーいえば」

昼食の席で誰にともなく言う。

「男バレが今日青城と練習試合するらしいよ」

「え、青城？！すごいじゃん！」

花那が興奮気味に机を叩く。

それに帆夏が不思議そうに聞いた。

「そのセージョーって、強いの？」

花那はばっと帆夏の方を向いていつものように説明する。

「青葉城西高校、県ベスト4の強豪だよ！今年は主将がすごいんだ。及川さんっていう……あっ」

今更気づいたように花那は私を指さした。

「青城って、Aのお兄ちゃんがいるとこじゃん！」

「え、そうなの！」

「ん、まあね」

適当に返したのが気に食わなかったのか物足りなかったのか、花那は再び説明を始めた。

「Aのお兄ちゃん、及川徹さん。青城の主将でね、ものすごいセッターなの。中三の時の県民大会でベストセッター取ってるんだよ！」

「Aとおそろいじゃん！すごいね及川兄妹！」

キラキラした目を向けてくる帆夏に思わず笑みが漏れる。

「でも徹、一昨日足捻挫してた気がする」

「ダメじゃん」

右と左の温度差が凄い。

まあそれがこの人たちの良さでもあるわけなのだが。