恋人はあなた。

10 玉森side ページ10

会計課の人たちはみんなイイ人で、先輩も優しいしカワイイ子も多くて、結構良かった。

宮田が一緒なのがちょっとビミョーだけど。


俺の指導係になった藤澤さんのことは、何となく知っていた。
宮田が｢姐さん｣と呼んでて、綺麗な人だな〜と思ってた。
ただ、宮田からは怒られた話を聞くことが多かったから、怖いイメージもあった。

でも実際彼女と仕事をしてみると、確かに仕事はキッチリとデキる人だけど、意外に話しやすくて面白い人だった。

やっぱどうせ教えてもらうなら、カワイイ人とか綺麗な人に教わりたいし、藤澤さんで良かったかも〜と思った。




歓迎会では、課長を筆頭に酔った上司たちが結構ウザかったけど、他の女子社員とも色々話せて楽しかった。

二次会のカラオケはあんまり乗り気じゃなかったけど、一応主役だし顔だけ出して帰るつもりだった。
藤澤さんに仕事任せちゃったお礼も言いたかったから、隣に座ったらすぐに課長に連れていかれて、マジでめんどくさい。笑


なんとか上手く抜け出して部屋の外でリカに電話してたら、藤澤さんに電話の内容聞かれてからかわれた。笑

まー、いっか。
別に困る内容じゃないし。


そしてそのまま駅に向かい、ホームで電車を待ってると、藤澤さんがやって来た。


｢お疲れさま〜｣


｢あれっ、藤澤さん。もうお開きなんですか？｣


｢ううん、私明日ちょっと朝早いから、途中で抜けてきたの｣


｢そーですか｣


そのまま二人で電車に乗り、これまでの課長の酔っぱらい事件の話を聞いたりしていた。


すると、

｢…ホント綺麗な顔してるんだね〜｣

と言って、彼女が俺の顔を覗きこんだ。


｢えっ？、何ですか急に。笑｣

思わずスマホをいじる手をとめた。


｢いやー宮っちがね、玉はほんとイケメンなんですよ〜ってずっと言ってたからさぁ笑。
確かにそうだな〜と思って｣


｢ありがとうございます…てか、宮田キモイ笑｣


｢アハハっ、まあいいじゃん。二人は相思相愛でしょ？笑。さっきも、玉森くんがいつの間にか帰ってるから宮っちがブーブー言ってたよ｣


｢アイツ何なんですかね笑。
あ、そういえば藤澤さん、連絡先まだ聞いてないですよね？いいですか？｣

と、スマホをかざした。

｢うん、いいよ｣

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