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『マジで言ってんの?』
『大マジ』
なかなか信じようとしない銀ちゃんと距離を縮め、背伸びをして彼の首に腕を回す。そうして抱きしめては本当だということを身体全体で伝えた。
『――俺さ、最低な男だよ?』
『バカでアホでどうしようもない上に、好きな女がフラれたからってその弱みに付け込むような最低な男だから』
悲しそうに零した銀ちゃんの言葉を掬い取るようにギュっと力を込めて強く抱きしめる。
そんな鬱ぎ込む彼に届いて欲しくて、私はなるべく柔らかい声で囁いた。
『そんなこと言わないで』
『私の好きな人のこと、悪く言わないでよ』
「私が好きになったんだから」と付け足せば、銀ちゃんは私から少しだけ距離を取って顔を見合わせる。パチクリと瞬きし、私の顔をジッと見つめた。
そうして笑った私を彼は勢い良く抱きしめ、私の名前を何度も確かめるように呼ぶ。
『何これ、夢?』
『夢じゃない』
『あー、夢でもいいかも』
『……本当に夢でいいの?』
少々意地悪く言った私に銀ちゃんは唇を尖らせては「やっぱ嫌だ」と言って強く腕を回す。
『好きだよ、A』
不意に身体を離した彼は私と額同士をくっつけ、「ありがとう」と微笑んだ。
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ハル(プロフ) - りんごあめさん» りんごあめさん! またまたコメントありがとうございます!! そうなんですよ、高杉にフラれるんです。もう涙なしではかけませんでした笑 今度は高杉をカッコよく書く作品出したいなあとは思ってますので、その時も閲覧よろしくお願いしますね! ありがとうございました (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 音想さん» 切なすぎて銀さんがー……と私自身思っていたのですが、最後は無事にハッピーエンドを迎えました! 大好物でしたか! それは嬉しいです( ´ ∀`) これからもどうかよろしくお願いします! コメントありがとうございました! (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 本当に、ハルさんの作品は何を読んでも最高です!面白いだけじゃなくて、なんかその話にのめり込めます笑 私も高杉が大好きなので、振られるなんて…(;´Д`)ウウッ……と思いましたが、銀さんのかっこよさがヤバかったです!!とにかく、本当に良かったです! (2017年10月19日 0時) (レス) id: 7662a2da74 (このIDを非表示/違反報告)
音想(プロフ) - 切なすぎて尊すぎて死にそうでした…こういうの大好物です。凄い好きだー!!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございました!これからの作品も楽しみにしています! (2017年10月18日 1時) (レス) id: 7258d80b20 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - あかあしえいたくんさん» そうなんです笑 最後の銀さんかもしれません笑 信者!? 私にも信者がいるなんて……! あかあしさんは私の信者のオンリーワンですね笑 ありがとうございます! その言葉を励みにこれからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくどうぞ( ´ ∀`) (2017年10月12日 16時) (レス) id: 728b0d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年10月10日 18時