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休日の今日は俺の気分と裏腹でやけにカラッと晴れている。
――きっと今頃、高杉とAは二人で映画を見に行っているのだろう。
そんなことを考えてしまった頭を大きく横に振るい、冷蔵庫からイチゴミルクを取り出そうとした。しかしそこにお目当の物がなく、仕方ないと長嘆息を吐いた俺はポケットに財布を突っ込んで家を出る。
外は休日だから家族連れで歩いている人が多くて、その人混みを掻き分けながら歩き続けるも、辿り着いたのはコンビニやスーパーではなくただの土手。
しかもここは、よくAの恋愛相談を聞いていた場所でもあったのだ。
あまり思い出したくない記憶を掘り起こしてしまった俺は本日何度目かも分からぬ溜息を吐き出し、ポカポカと陽の当たる芝生に寝転ぶ。
閉じた瞼に突き刺さってくる陽射しが鬱陶しくて腕を乗せれば、たちまち真っ暗な世界になった。
――『銀ちゃん』
――『あのね、銀ちゃん』
――『聞いてよ銀ちゃん!』
そう俺を呼んでは高杉への恋路に喜怒哀楽とコロコロ表情を変えるA。
そんな彼女を見ている時間はどうしてか好きで、いつまで経っても見ていられるほどだ。
……ああ、こんなことを考えていたからか、どこかで俺を呼ぶAの声が聞こえる気がしてしまう。
きっと気の所為だろうと息を吐いた俺は、眠気を誘うよう本格的に目を閉じる。
『銀ちゃん!!』
ゆっくりと瞼を開いて声のする方を見ると、そこには息を切らして肩で呼吸をしているAが立っていた。
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ハル(プロフ) - りんごあめさん» りんごあめさん! またまたコメントありがとうございます!! そうなんですよ、高杉にフラれるんです。もう涙なしではかけませんでした笑 今度は高杉をカッコよく書く作品出したいなあとは思ってますので、その時も閲覧よろしくお願いしますね! ありがとうございました (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 音想さん» 切なすぎて銀さんがー……と私自身思っていたのですが、最後は無事にハッピーエンドを迎えました! 大好物でしたか! それは嬉しいです( ´ ∀`) これからもどうかよろしくお願いします! コメントありがとうございました! (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 本当に、ハルさんの作品は何を読んでも最高です!面白いだけじゃなくて、なんかその話にのめり込めます笑 私も高杉が大好きなので、振られるなんて…(;´Д`)ウウッ……と思いましたが、銀さんのかっこよさがヤバかったです!!とにかく、本当に良かったです! (2017年10月19日 0時) (レス) id: 7662a2da74 (このIDを非表示/違反報告)
音想(プロフ) - 切なすぎて尊すぎて死にそうでした…こういうの大好物です。凄い好きだー!!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございました!これからの作品も楽しみにしています! (2017年10月18日 1時) (レス) id: 7258d80b20 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - あかあしえいたくんさん» そうなんです笑 最後の銀さんかもしれません笑 信者!? 私にも信者がいるなんて……! あかあしさんは私の信者のオンリーワンですね笑 ありがとうございます! その言葉を励みにこれからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくどうぞ( ´ ∀`) (2017年10月12日 16時) (レス) id: 728b0d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年10月10日 18時