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あの日 ページ26

A「村長には娘、息子、後妻がいて二人の子供の母は娘を生んでから行方不明になり仕方なく村長は後妻を迎えたの。

後妻は元は村長の妻の腹違いの妹で、姉である正室と性格が反対だった。

後妻は異母姉の子供達が憎くて仕方がなかった。

だから村長が愛してやまない娘を生贄という形で抹消しようと考えたの。

でも兄である息子はそんな後妻の思惑が分かっているかのようで妹に藤の花の香を焚きしめた衣を渡した。

夜になり、娘が乳母に抱かれ山の中の社へと行くのを兄は悲しそうに後妻は嬉しそうに見ていた。

乳母と娘には義勇が付き私はその他の住人の護衛にあった。

私が社に続く道を見張っていると”ギャーー”という悲鳴が聞こえた。

急いで戻ると村の人々は無残な姿となっていた。

「なんで?どこから?」

大きい村長の家を最後にし、他の家々を確認することにした。

すべての家を回り終わったが生きている人は誰一人としていなかった。

震える足を必死に動かし村長の家へと向かう。

使用人たちはみんな殺されていた。

書斎で後妻が事切れていた。

応接室のようなところで村長が倒れている。

「村長さん!!」

出血がひどく、もう持たないのは分かっている。

「鬼狩り様かぇ。子供たちを・・・。よろしく頼む。。息子は戸棚の中に隠れた。」

「ッ。」


幾度目かわからない涙が流れる。

また助けられなかった。

最後の最後まで生きようとする人々は何と儚いのか。尊いのか。

村長の言った通り息子は戸棚の中にいた。

その子は妹がどうなったのか知りたいと言って泣いた。

父が死んで、自分を育ててくれた後妻も死んだことを知った少年はただ泣いた。

二人で家を出て社へと向かう。

荒れ果てた道を走り開けた場所に出る。

そこにはボロボロの社があった。

その前に白いお包みに包まれた村長の娘を抱いた義勇が立っていた。

乳母は鬼が現れたとき驚いて娘を置いて逃げたようでその場には、いなかった。


義勇が「この子たちを育てよう」といった。

親が死んだのは私たちの責任だから。

___________________________________
これが二人の出生よ。

恨むんなら私を恨みなさい。」

義正「母様は、ずっと俺たちを育ててくれた。恨んだって何にもならないじゃないか。
本当の家族じゃなくても良くないか?だって母さんがくれた愛は本物だろ?
俺はずっとこの家の息子だ!!
この家が大好きだ!!」

紫雨「わ、私も!!」

家族(ほぼ会話です。すいません)→←ありがとう



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作者名:玉葉 | 作成日時:2021年8月25日 18時

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