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「お前意外と負けず嫌いなのな。勘がいいのはわかってたけど」
「時と場合によります」
「…はあ。仕方ねえな。ソンはあいつの元カレだよ」
”Aには言うなよ絶対”という一言を付け足してユンギヒョンは小声で白状する。
それを聞いた俺も、さっきのユンギヒョンに負けないくらいの溜息を漏らしてしまった。
やっぱり。とどこか納得しているけれども、衝撃というかショックを受けもしている。
あんな男前で仕事できそうな人が、Aさんの元カレ。
すっごくめちゃくちゃ本当に嫌だけど、並んでいるところを想像するとしっくり来る気がしないでもない。
嫌だけど。
「…仕事以外の話って何だと思います？」
「さあな。それは知らねえけど、仕事以外ってことはプライベートってことでもあるんじゃねえの」
「うわ。わざわざ？出向いてまで？営業部って１階ですよね？わざわざ5階まで？」
「おい本音が駄々漏れだぞ」
元カレと知った時点で申し訳ないが俺の敵である。
「まあいろいろあったからなあいつらも。そのいろいろを知ったうえで俺はソンのこと好かねえかな」
「へえ、そうなんですか」
「何でちょっと嬉しそうなんだよお前は」
「味方が増えたな〜って。いろいろってところが気になります」
「そのいろいろは俺の口からベラベラ言えねえよ」
「じゃあ僕が聞き出します」
「やけに強気だな。聞き出せんのか？」
ユンギヒョンは面白そうに笑い、箸でおかずを突きながら俺を見ている。
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作者名：SLY | 作成日時：2019年5月23日 13時
