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「ジョングクくんごめん、待ったよね！」
「いえ全然。お疲れ様です」
「お疲れ様〜。場所ってどっち？」
「こっちです。電車で一駅なんですけど、大丈夫ですか？」
「うん、大丈夫だよ！お腹空いたね」
会社の出口からほんの少し歩いたコンビニ前で待ち合わせた。
ニコニコと笑いながら駅に向かってAさんと肩を並べて歩いている俺はとてつもなく緊張しているのだけど、Aさんはそんな風には見えない。
初めて二人きりでご飯食べに行くんだから少しくらい緊張してくれてもいいのに。
Aさんは余裕があってずるい、と勝手に思う俺はまだまだガキだと思い知る。
年上の女の人を初めて好きになったけれど、こんなにも余裕があるものなのだろうか。
電車に揺られて一駅、駅から少し路地裏に入った隠れ家的なオシャレなお店。
お店の外に出ている看板には美味しそうな料理名がオシャレに書かれている。
「こんなところにこんなオシャレなお店あるんだね！知らなかったよ」
「俺も知らなかったんです。打合せ先の方が教えてくださって。女性だったので美味しいお店たくさん知ってるようでした」
「そうなんだ！また美味しそうなお店の情報仕入れたら教えて！」
普段女性と話すことが本当は苦手だということも、
前にユンギヒョンと3人で雑談をしていたときにさり気なくカミングアウトしたことがある。
Aさんは特別だよという意味を込めて言ったのも当然伝わっていなかっただろうし、
今さりげなく”打合せ先の女性と話した”と言ってみてもこんな感じ。
これは相当手強い。
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作者名：SLY | 作成日時：2019年5月23日 13時
