白ひげ海賊団のあの子は愛されている

Story10 ページ12

後ろの方で声を上げた何人かは

どうやら新入りのようだ


私はその船員達に向かって説明を始める


「マルコが私に勝ったのは、

　借りた本を破いて返しちゃった時と、

　私がトランプで全敗してムキになってた時と、

　女の子の日でお腹が痛かった時だよねっ！」


と言ってウインクを決める



当の本人は、、



額に青筋を立てて怒っている


マ「A、ちょっといいか？」


親指でクイッと廊下の奥を指す



顔からサーッと血の気が引いていくのが分かった

「ごめんってマルコ！

　さっき中々気付いてくれなかったんだから

　これでおあいこでしょ？」

パンッと手を合わせながら目を瞑れば


はぁーーー と長い長いため息が聞こえる

恐る恐る目を開ければ



しょうがなさそうに笑うマルコの顔があった


マ「それに関しては俺も悪かったよい

　 今日は3年ぶりだし、大目に見てやるか、、」


そう言うと私の頭にポンと優しく手が置かれる

「ありがとうマルコ！」

私はそう言って笑う



そんな光景を全員が微笑ましく見ていた



私はくるりと後ろを向くと

甲板の後方に向かって歩き出す



ずっと話してみたいと思っていたのだ

父さんの首を狙っていたあの人は

一体どんな人なのだろう




.





“火拳のエース”

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