りんごの味は・とあるアニメーター様リクエスト ページ46
「……お前何だそれ」
『りんご飴です』
見りゃ判る、と中也さんは唸った。いや何だそれって云われたから答えただけじゃないかー!
「祭りでもねェのに何でンなの持ってんだ?」
『えっ、何か其処で配ってたから貰っちゃいました』
警戒心ゼロか! と怒鳴られた。ひーん理不尽!
いいじゃないか別に。だってタダだったら貰っておくのが人間だろう。と内心でぶつくさ云っていたがりんご飴を舐めたらもう何かめっちゃ美味かったのでいいや。
「いいじゃないですか別に。ぼくも好きですよ、りんご飴」
『どぅをあっ』
背後から突然聞こえた声に、私は思わず奇声を発し五センチ程飛び上がりそうになった。飛んでないから。それ見間違いだから。
日本では特徴的な白いモコモコ帽子。ふっと私の顔に影を作ったその体躯はほっそりとしていて、スタイルが良いというよか病弱というイメージが強い。
「手前っ、魔人か! ンでこんなとこに!」
「居ちゃ駄目なんですか?」
くすくすと挑発するように笑うドスさんは、私のりんご飴を取り上げた。
『……はっ!? ちょっ、何人の食べ物取ってるんですか!? 犯罪ですよ犯罪!』
「……手前それ俺が居る処で云うか」
あーそうでしたね貴方マフィアでしたね。かくいう私もマフィアでしたね。やべえわ久々に自分がすげえ組織に入ってたっつうことを自覚したぜ……!
なんて思っていると、ドスさんがりんご飴(私の。これ私のだから)をぱくっと舐めた。
ぱくっと。
私の。
『……ア"────ッ! 何してくれてるんですかアンタ!!』
「……あれ、ぼくとしては違う反応を期待していたのですけれど」
「何してんだ手前フョードル……あァ? ぶっ殺すぞ」
ガチトーンの中也さんの気迫がどう考えてもおかしいので私は口を噤むことにしました。お口チャック。
「間接キスぐらいいいでしょう」
ドスさんが云った言葉を、私は三回くらい頭の中で反芻させた。
そして、ボッと顔に火が集まった。
『ッあああぁああああ!! 絶対あんたのこと許しませんから!! あああああああ!!』
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とあるアニメーター - マジですか!!!ありがとうございます!お願いします! (2020年1月21日 21時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - とあるアニメーターさん» へえーいいですねえ!やらせて頂きますとも、何かかなり滅茶苦茶な展開になりそうですが……(笑)。 (2020年1月21日 18時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
とあるアニメーター - そうですか!良かったです!リクエストで、そうだ、番外編作っちゃおう!と思った今日この頃の第3段を記念して…。みたいな感じで、今日この頃シリーズで出てきた文ストキャラ達をたくさん出してほしいです!こちらも長めになって良いので、よろしければお願いします! (2020年1月21日 18時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - とあるアニメーターさん» ええ勿論!ちょっと遅くなるかもしれませんが番外編もとうとう三!……ひええマジかあ。 (2020年1月21日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
とあるアニメーター - この番外編、続編行きますか? 続編作って頂けたら、またリクエストしたいです。 (2020年1月20日 21時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作成日時:2019年7月6日 21時