辰哉君は私の全て (ページ7)

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辰「うーわ、見事にお前だけ一人だし。
予想通りすぎ」

声のする方向に視線を向けると、

『………ふっか、』

入り口に、気だるそうにコートのポケットに片手を入れ、

もう片方の手には、何やら袋を下げているふっかの姿が。

辰「はい、チーズバーガーがいい人～」

『え、……あ、と』

辰「フィッシュバーガーがいい人～」

『は、はいっ！』

辰「ん。めぐ好きだもんな、これ」

袋をガサゴソ漁りながら私の元へ近づいてきて、
取り出したのは

学生時代、よく放課後一緒に食べに行った
ハンバーガー屋さんの

私がいつも頼むフィッシュバーガー。

辰「ほんでもって、これと、これな」

続いて取り出したのは、
チキンナゲットと、オレンジジュース。

私がいつも注文する物を、ばっちりわかってるふっか。

辰「お、お昼の時より進んでんじゃん」

画面を覗き込み、偉い偉い、と頭をポンポンしてくれる。

私は買ってきてくれたフィッシュバーガー達を見つめながら、ぎゅっと拳を握りしめる。

『…………怒らないの？』

辰「…………なんで？」

なんだか、

今日の私は、少しセンチメンタルだ。

『社員向けの会議用の資料なんだから、
こんなに凝る必要もないのに。

頑張る方向間違えすぎ。

だから、要領が悪い』

あー、こんなの、いつもの事なのに。

疲れてるのかな。

ふっかの優しさに触れたからってのもあるかもな。

視界がじんわり滲むのがわかる。

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