辰哉君は私の全て (ページ4)

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翔「あ、Aー！」

『翔太君！』

食堂に着くと、デカい声が響き渡る。

その声の主は、満遍の笑みでこちらに手を振っている。

辰「うわ、うるさ、あいつ」

『声通るよね、翔太君』

私も笑顔で手を振り返し、ふっかとそちらへ向かう。

翔「お疲れ様。ふっかもお疲れ」

辰「今日外回り午後からなんだ？」

翔「いーや、今日は来社対応だからずっとこっち」

渡辺翔太。

営業部の、私達の同期。

そして、

翔「今日も無理してない？大丈夫？」

『うん、大丈夫。ありがとね』

私の彼氏。

とりあえず荷物を置き、昼食を購入した後、翔太君の待つ席へと向かう、と。

向かいに座ろうとする私にえー、と駄々をこね、
隣に座らせたかと思えば、腕に絡みついてくる
かなり甘えたな翔太君。

辰「お前さー、めぐ以外の女子にはめちゃくちゃツンケンしてるくせに、
ベタ惚れじゃん」

翔「はぁ？当たり前だろ。
お前にはこのAの天使級の可愛さがわかんねーのか？

ずっと幼稚園から一緒のくせに、羨ましい」

翔太君は私の事をいつもデロデロに甘やかす。

ふっかと同じくらい、結構社内での人気は高いはずなのに、

いかんせん、女の子への対応が塩すぎて
近づこうにも近づけない、て感じらしい。

何故か私にはめちゃくちゃ甘いから、塩対応の翔太君がどんな感じなのか知らないんだけどね。

翔「はぁぁ、今日も可愛すぎる、まじ天使。

癒されたわ、午後の商談も頑張れる！」

『頑張ってね、同期の星！』

翔「はい、ズッキューン。
死んだ。何。しんどい。可愛いー」

ちょっと、いや、かなり大袈裟。

でも、本当に、彼の仕事ぶりは凄いらしくて、
4年目にして、ベテランの先輩方を差し置いて、営業部の成績トップ争いの常連らしい。

営業部は基本会社にはいないから、いる時はこうやって3人でお昼を共にする事がほとんど。

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