照兄の彼女になりたい5

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康「…………振られに行くんです。今から」



　「………え、」





いや、そうなるわな。

でも、お節介ついでに、俺の話聞いてほしい。





康「ずっと好きやったんです。Aの事。
芸能界入る前から、ずっと。

中学で初めて出会った日から、ずっと。



やっとの思いで手に入ったのは5年前なんですけど、

Aが当時大好きやった人と、とある事情で離れ離れにならなあかんくなって。


壊れそうやったAを横から掻っ攫った形で付き合い出したんです。



あの日から今まで、Aの隣にずっとおったんは、俺やったはずなのに」






運命的に、再会してしまった二人。



俺が見えないところで、どんどん濃くなっていく、二人の関係。






康「いやー、運命には逆らえへんって事ですかね、やっぱ。(笑)

俺に抱かれた後そいつと電話したりするんですよ、勝ち目ない勝ち目ない(笑)」





　「康二さん………」






康「……高校生の時に、俺がAの写真集撮るって約束したんです。

それは俺のカメラマンとしての夢でもあって。

その約束果たせた時にプロポーズしようって思っとってんけどなー。


焦ってこの間Aと一緒に海外で仕事やった時に、プロポーズしちゃって。

A困らせちゃって、その罰なんやろなー」





　「もう、大丈夫ですから……」






康「俺の夢ももうなくなってしまったし、


これから、

何を、モチベーションに

カメラ撮っていけば良いのか……、」





　「康二さん！！！」






大きな声に、はっと我に返る。

ゆっくりとデザイナーさんの方を見ると、


震えながら、


静かに涙を流している。





康「………なんであなたが泣いてるんですか」







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