昔話 4-2 ページ10
一之瀬side
俺の人生が丸ごと変わってしまいそうだった日だった。短い銀髪を風になびかせて俺を闇から引きずり出してくれた女の子と会った。
自分はサッカーができないと苦笑いするその表情は、今でも消えそうだった。
1年間、俺はAと一緒にリハビリとトレーニングを並行した。
驚くべき回復速度でまたサッカーができるほどまで来た。 Aは、たった一度も俺とボールを蹴ってくれなかった。
彼女は体が弱かった。
ちょっと走っても胸の痛みで倒れることもあった。そのような状況でも俺との特訓はいつも一緒にしてくれた。俺を見つめるAの目はいつも輝いた。自分ができないことをやり遂げるのを見て満足しているようだった。青空に似た瞳が輝くたびに俺の胸もドクンと音を立てた。
彼女は俺のサッカーを愛して、俺は彼女に恋をした。
俺を見つめる目も、トレーニング日誌を書く時半分ほど閉じた目に長く伸びたまつ毛も、汗を拭いてくれる優しい手も。
その一つ一つが全て愛しかった。好きだった。
"俺、国家代表になるんだ!"
"一哉ならできるさ。 こんなに上手なんだもの。"
彼女は記録を書きながら笑みを浮かべてうなずいた。 俺はまた笑顔に高鳴る胸を押さえた。 熱くなる顔の熱を冷やした.
".….君を世界に連れて行くよ"
"うん?"
小さくつぶやいた言葉に、Aは首をかしげた。 笑いでうろたえてまたボールを蹴った. 相変わらず怪しがるAだったが、気にしないことにしたのか、再びノートに目を向けた。
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作者名:バナナ牛乳 | 作成日時:2020年4月2日 1時