昔話 3-2 ページ8
"…."
うそ。私も知っている。 --サッカーをやり直すのは難しいということくらいは…。 私はダメだから、思いっきりフィールドを駆け回れる守を見るだけでもしたかった。
しかし、ここで私がどうして甘えることができようか。 2年。2年くらいなら大丈夫だよね。私がいなくても、守はサッカーをあきらめない。
"……わかった…"
--
空港で大泣きする守と一郎太をなだめるのに苦労した。 息もできないほど号泣する守と涙を数え切れないほど流す一郎太。 2人を両腕に抱きしめたまま背中を軽く叩いたが、逆効果だったのか、苦労して泣き声を我慢していた一郎太さえ声を出して泣き出した。
ああ
'まだ子供だ。'
内心そう思った 前世の記憶と合わせれば、20年以上生きてきた私なので、こんな考えができるのだ。 泣き止まない二人に優しく笑ってみせた。
"必ずまた会おう。 元気になって帰ってくるから帰ったらまた一緒にサッカーしてくれる?"
"..うん……"
"当たり前じゃん!!" 必ず戻って来て!! 絶対!!!!"
私の手をしっかり握ってうなずく一郎太に頭を突っ込み、目を合わせて強い声で話す守。もう一度2人を抱きしめては、空港のロードワークへ向かおうとした瞬間だった。
"あ、そう"
母にキャリーを託してロードワークに逆行し、守と一郎太に駆けつけた。 目が大きくなる二人に、私は二人の額に軽くキスした。
"一郎太は足が速いから、格好よく走れると思う。 一郎太が走る時、飛び散る髪の毛が大好き。 守は情熱があるから、もっと素敵なゴールキーパーになれるだろうね。 でも、すぐ無理をするから。 休憩も必要だよ。 これは私がまた戻ってくるまで元気で過ごせというオマジナイ"
慌てたように口をあけたまま、呆然とした表情の2人を後にして、母親に帰ろうとした時だった。 腕がつかまって後ろを回ると、二人が私の両頬に口付けをした。
"じゃあ、これは"
"Aが元気になれとゆうオマジナイ!!"
涙を流しながらも明るく笑う2人のおかげで、軽い気持ちで飛行機に乗ることができた
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作者名:バナナ牛乳 | 作成日時:2020年4月2日 1時