もう一つの輝き『イナイレ』 (ページ12)

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昔話 5-1 ページ12

小6すなわち中1になるころだった。一哉と出会って2年になると同時に日本へ帰れる年だった。
肺の機能は完全には回復していないが、少なくとも治療を受ける前よりは良くなった。

いつの間にかトレーニングノートは9巻になった。 1巻は一哉と出会った頃失っていたが、8巻もあれば守と一郎太には十分なはず。9巻の最終章を満たしていると、母の声が聞こえた。

"?どうしたの?"

"お客さんが訪ねてきわよ。出かけてごらん"

一哉との約束時間までまだ2時間も残っていた。一哉はいつも約束の時間より早く来るが、こんなに早く来たのは初めてだった。

カーディガンを羽織って一階へ降りると、私を待っているのは、一哉ではなく、サングラスが目立つ背の高い大人だった。

"? どなたですか?"

"お前がAAか。"

"はい、そうですけど…"

"これ、お前が書いたんだな?"

彼の手に持っているのは私が失ったノート1冊だった。名前が書かれていたから返しにきたのかと思った私は安逸だった。

"あはい、そうです。わざわざありがとうございます。

ノートを受け取ろうと手を差し出すと、彼はノートを私が届かずに高く持っていった。不思議に思い首をかしげると彼はにやりと笑った。どこか身の毛のよだつような笑いにカーディガンをまっすぐ着た.

"帝国に来ないか"

".……帝国…….?"

"ああ。お前のやりたいサッカーをやらせてやる。"

帝国。うっすら聞いたことがある。成績優秀。スポーツは全国制覇。昔住んでいた村にある名門中だった。その学校の人がどうして私にやってくるのかわからなかった。

"私はサッカーができません。少しだけ走っても息が切れるんです。"

"おまえが走る必要はない。お前が走る選手たちを育てれば良い。"

"……はい?"

"帝国中へ来い。その時また説明してやる"

"……断るとしたら?"

"それは自由だけど、後悔するぞ。"

サングラスの向こうから眺める視界は私ではなく遠くから私を見守っているお母さんに向かってあった。
背中に鳥肌が立った。
どことなく不安な感じがわたしを包んだ。私は仕方なくうなずいた