彼たちがデビューするまで。【きいろくん】 (ページ22)

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突然の

「カラオケに行きましょう。（人1）ちゃんも一緒に。」

という佐久間くんと向井くんのお誘いで強引に連れ出された私たち。

初めはのり気じゃなかった彼も今はのりのり。

みんなで、採点勝負しようぜーなんてはしゃいでいた。

少し広めの個室。

２つあるソファーのうち大きい方のソファーに4人で固まって座る。

誰かあっち行けよって言うけど誰も行かないあたりみんな仲がいい。

「佐久間、アニソンいくであります！」

勢いよく歌いだした佐久間くんのアニソンは、

え？アニソンですか？って聞き返したくなるほどの美声だった。

向井くんの歌うバラードは美しすぎて聞いてる方がとろけそう。

それはもちろんひーくんもで、生歌はテレビよりも格段と素晴らしい。

採点勝負したいとかどの口が言ってんだ。

やっぱりみんなアイドルなんだと思った。

「（人1）ちゃんもなんか歌ってや！」

さしだされるマイク。

いやいや、あんな美しい歌の後にど素人が歌えますか？って。

拒んだけど無理やりマイクを押し付けられニコニコ笑顔で見てくる3人。

その目線がつらくって

私は仕方なく1番自信のあるラブソングを歌った。

「（人1）ちゃん上手いじゃん！」

「いや、みんなの後に歌うのはきついですよ。ほんと、申し訳ない。」

「謙虚やな～十分じょうずやで？ただ、歌いながら照くんのほう見るの、あれなんなん？」

「ね、しかも照も（人1）ちゃんの方を愛おしそ～に見るからさ」

「視線がお互い熱いねん」

顔から火が出るほど恥ずかしかった。

みんなが楽しそうに歌う中、私はアーティストのの検索欄に

「SnowMan」

と打っていた。

もちろんデビュー前だからヒットは０。

「でも、あと一か月もしないうちに名前も曲もここにのるんだね」

そう呟くと、３人は嬉しそうな笑顔を見せた。