彼たちがデビューするまで。【きいろくん】 (ページ16)

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人のいない廊下をどんどん進む。

止まった先には「SnowMan」と書いてあった。

ドアが閉まっていてもにぎやかな声が聞こえる。初めて会うメンバーに緊張した。

「ただいま～」

「おかえり～！」

彼に手をつながれたまま部屋に入る。

彼女だなんてよくない。批判が来るんじゃないかと思った。

「この子、さっき言ってた子？かわいい～」

「照にぃはこんな子がタイプなんやね。」

「名前なんて言うの～？」

思っていたのとは真逆の歓迎ムードに驚いた。

「えっと、（人1）って言います。」

緊張で小さめの声になる。

「緊張しなくていいよ！入っておいでよ！」

明るい声にすごく安心した。

「俺たちは会うのは初めてだけど照から聞いてて彼女の存在は知ってたのよ。でも康二とかは初めて聞いたでしょ」

「さっき言われてね、驚きましたよ」

私の事で盛り上がる彼らを遠くで見守るひーくんはお父さんみたいだった。

「（人1）ちゃん僕の後ろに座ってたでしょ？かわいい子いるなって気づいてたよ～」

そう言いながら私に抱きつくラウールくん。

ひーくんがかわいがるのも無理はない。息子にしたいくらい本当にかわいい。

「おい、ひっつきすぎ。ラウールでもそれはだめだ。」

少し怒りながらそう言う彼を見て周りのみんなはにやにやを隠しきれていない。

「相変わらずラブラブですな。」

「うるせぇ、佐久間。」

ツンってそっぽ向いても耳が少し赤いのがわかった。

家でもファンの子の前でも見せないような彼が見れて嬉しくなった。