彼たちがデビューするまで。【きいろくん】 (ページ1)

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私には今、同棲している彼がいる。

出会って５年。付き合って３年だ。

小さな喧嘩はあったけど、ずっと仲良くお互い支え合ってやってきた。

彼の名前は岩本照。ジャニーズjrだ。

そんな特殊な職業の彼と出会ったのは５年前。

ある日の朝、突然の雨降りで私のアルバイト先のカフェに彼が雨宿りしていたのが出会い。

大きな荷物を抱え濡れた髪をかきあげる仕草に目を奪われた。

スマホを何度も見ているあたり、時間がないのだろう。

気が付くと私は彼に傘を貸していた。

薄ピンク色の小さな折り畳み傘。

男性には恥ずかしいような傘だったけれど彼は何度もお礼を言ったあと嬉しそうに傘をさして去っていった。

その日の夕方。

雨はやみ、眩しい夕日が差し込む中傘を返しに彼はやってきた。

「傘、ありがとうございます。困っていたのですごく助かりました。」

「わざわざありがとうございます。よかったです。」

しばらくの沈黙の後、

「ちょっとお茶していこうかな。」

そう言ってカウンター席に座った。

その日を境に、彼は夕方の決まった時間になるとお店に来るようになった。

初めて来た日に座ったカウンター席。そこが彼の特等席。

私のいれたコーヒーをおいしいと言いながら飲んでくれる彼を見るのが好きだった。

見た目とは違うかわいらしい笑顔、優しい声。ときどき注文するケーキをほおばる姿。

今おもうと初めて会ったその日から彼のすべてに惹かれていたんだと思う

それからしばらくして、連絡先を交換し外で会うようになりその２年後に彼からの告白で付き合うことになった。

告白と一緒につげられた彼の職業について私は驚きしかなかった。