爆豪くんにベタ惚れされた2【ヒロアカ】 (ページ7)

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54　戸惑いページ7

「…好きな奴、いるのか。」

『ううん。恋愛って何なのか本当に分からないの。だから…ごめんなさい。』

「付き合ったら分かるかもしれない…ダメか。」

『…半端な気持ちで付き合うの、ダメな気がして…それと、葵を応援したい。』

「……そっか…でも、諦めないぞ俺。」

光り輝く綺麗な瞳の奥からは、神葉くんらしい感情が伝わってくる。

「折角の合宿なのにわりィな！じゃ戻ろうぜ！」

『うん…』

神葉くんはクルッと後ろを向いて、急ぎ足で歩いて行った。フロアに透明な雫(シズク)が消えていった…神葉くんを傷つけてしまった事になるんだろう。そう思うと私は心が痛くなった。

…

その日の夜、葵は静かだった。私と目も合わせてくれなかった。告白を聞いていたのだろうか。直接聞いても良いのだが、葵が黙っているんだからそっとしておいてあげるのがいいのだろうと自分で考えた。

『ただいま。お母さん。』

結局一言も話さず合宿を終えた私たち。ずっと友達でいれるよね……？

「あらお帰り。荷物さっさと出しちゃって。」

はーいと元気のない返事をして荷物を出す。ベットに入る頃にはとても眠くなっていた。寝てしまったんだと気が付くのは朝になってからとなる。明日からいきなり学校だなんて厳しいよ…何で週末にしなかったんだろう。

考えても仕方ない。今日はしっかり休もう……

葵朝練行くからこれからずっと一緒に学校行けないや。ごめん

朝起きた瞬間、そんなLINEがきていた。葵は部活の部長でもある。こんなに素敵な人のに、どうして神葉くんは私なんかを選んだろうか。ただ個性が強いだけの私。ただヒーローを目指しているだけの私。

A分かった。頑張って!

それだけ返事をして大きなため息をつく。再び眠ってしまおうかなどと考えているとお母さんの声。

「A－！起きてる？早く朝ご飯食べなさい！」

『はーい』

バタバタと支度をしていると窓の外に人影を見つけた。……葵はあんなに背が高くないし、第一朝練に行くと言っていたはずだ。だったら誰だろうか。

『行ってきます！』

「行ってらっしゃいー」

そんないつものやり取りをして家を出る。角に立っていたのは……神葉くん？

「あー…その…一緒に行かねえ？」

そっぽを向いて言ってきた神葉くん。葵…どうしたらいいのか分かんないよ。助けて。

『うん…』

その日は初めて男子生徒と登校した。