爆豪くんにベタ惚れされた2【ヒロアカ】 (ページ11)

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58　救けてページ11

『ハァ…ハァ…もうやめて…』

一日4、5時間ほどの睡眠のせいで私は授業中も寝てしまう日々。今も深夜2時だ。 30分に一回は起きてしまっているだろう。葵は一度決めた人の夢を操作できる。今、葵は普通に寝ているだろうが個性は寝ていても発動できる。だから同じ光景をずっとリピートさせてくる。

…

「おい風化寝るなー授業中だぞ。全く…成績優秀だったのにどうしてそうなったんだ…」

そんなこと親にも相談できない。お母さんは心配してくれているが適当に理由をつけて隠し通していた。お母さんに心配なんかかけたくない。

「…」

その日、先生に理由を聞かれたが私は何でもありませんとだけ言い続けた。帰ろうとすると靴箱の前に立っていたのは神葉くん。

「…風化無理してるだろ。女子に何かされたのか？」

『…』

神葉くんに話しても良いのだろうか。ダメだ。女子に人気の神葉くんに話して女子に注意なんかされた日にはもっと酷い恨みを買ってしまうだろう。

『何でもないから…』

「…俺じゃダメか。俺今もお前の事好きだ。困ってる奴を助けるのがヒーローだろ？」

そうだった。神葉くんヒーロー志望だった。成績も優秀で。

「風化ってヒーロー志望だろ？……その一緒の高校行けねえかなって思ってよ…」

そうだ。もう進路を決めないといけない時期だ。最初は雄英高校って書いた覚えがある。でも無理だ。今の成績で行けるわけがない。

『もう…違うから…私に関わらないで！』

夢を諦める、眠れない日々、虐め、ストレス…それで私は酷い言い方をしてしまった。しまったって思ったってもう言葉なんて取り消せない。神葉くんはただ、こんな私を心配してくれていただけなのに。

「わ…わりィ…」

『…！ち、ちが…ごめんなさい。』

「でも、何かあったら言えよ。」

それだけ言って神葉くんは行ってしまった。私のありもしない噂を流されて、彼の耳にも届いているはずなのに。

もう……どうでもいいや。

こんな事していてもすぐに何かを失うだけ。なにもかも投げ出してたい。いっそ敵になってやろうか。

錆びついてきた私の体はもうおかしかった。どれだけその体を磨いても磨いても、以前の私が邪魔するせいで壊されちゃうよ。色んな言葉に振り回されて失っていく。

『…』

少し寒い。でも、どうでもいいや。

私がまた最低な事をするまであと1週間。この時の自分を殺したいよ。

・・・・・・・
暗い話ばかりですみません…