お夕飯 ページ33
2人で部屋の中に入り、私はいつもの様にベッドに上がり勝己くんのお着替えが終わるのを待ちます。
自分の身体が大きくなったからか、動くたびにベッドが少しだけ沈むのが面白くて遊んでいると、部屋着に着替えた勝己くんが私の隣に座りました。
そして、手を伸ばして私の髪の毛を優しく触ってくれました。
「…ほんとに人間になったんだな」
『はい。最初は驚きましたが、勝己くんや皆さんとお話が出来てとっても嬉しいです!』
「そうかよ」
『私は本当に幸せものです!』
私の返答に勝己くんは笑ってくれました。
そして私の髪を手櫛で整えた後、勝己くんは立ち上がって部屋のドアへと向かいました。
「腹減ったろ。そろそろ飯の時間だ、行くぞA」
『はい勝己くん!』
ご飯という言葉に目を輝かせてしまうのは、やはり本能なのでしょうか。
勝己くんの後を追いかけて、やって来たのは1階の食事スペース。
もう殆どの方が席に着いていました。
勝己くんは切島さんの前に座り、私の方を向いて隣の席をトントンと叩きました。
意味を理解した私は、素直に勝己くんの隣に座りました。
すると後ろから上鳴さんに話しかけられました。
「お、Aも飯食うんだ?」
『はい、もうお腹ペコペコです。お夕飯はカレーですか?』
「せいか〜い!」
トレーを持った上鳴さんが切島さんの横に座り、いただきますをして食べ始めました。
私も早く食べたくなってきました!
カレーを貰いに席を立とうとすると、さっきまで隣に居たはずの勝己くんの姿がありませんでした。
あたりを見渡すと、トレーを二つ持った勝己くんがこちらに向かって歩いてきてました。
「甘口でいいだろ?」
『ありがとうございます、勝己くん!』
「あの爆豪が……」
「人に気を使うなんて!!」
「どういう意味だアホ面ァ!」
『ふふふっ』
勝己くんたちの会話を聞いて、思わず笑みが零れました。すると勝己くん達は言い合いをやめ、私の方を見てきました。
『ごめんなさい。ただ、勝己くんとお友達の輪の中に入れている事が楽しくて、つい笑ってしまいました』
「……良い子だなAって」
「おう、出来過ぎてるくらいにな」
「当たり前だろうが、Aだぞ」
「爆豪には勿体ねぇな」
「うん俺もそう思う」
「ンだとゴラァ!!!」
『ふふっ』
唸る勝己くんとそれを宥める前の2人を見て、また笑みが零れました。
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しぐ - かわ (9月29日 22時) (レス) @page39 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - めっちゃおもろい もうなんか、めっちゃ好き! (9月4日 9時) (レス) @page39 id: 6e3a47796c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 猫ちゃんかわいい(*≧з≦)❤ (2023年2月24日 22時) (レス) @page39 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 好きですっ!!! (2023年1月16日 18時) (レス) @page39 id: 090773d13c (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 猫大好き人間です!ほんとの猫もこんなこと思っているのかな〜と思いました!更新頑張って下さい! (2022年9月17日 19時) (レス) @page39 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺大福 | 作成日時:2018年12月5日 13時