32話 ページ34
死神は、片割れの稚魚を静かに見つめていた。
世界が静止したように思えるこの時間で死神は何を考えたのだろう。
泡のように消えそうな声で死神は呟いた。
「お前が羨ましい。」
フロイドは目を見開く。
でも何となくわかっていたのですぐに言葉が出た。
「ならさ、俺の家族になってよ。
ほんとはさ、ジェイドだけじゃないんだよぉ。
もっといっぱいいたんだ。」
フロイドは気を失ったジェイドを愛おしそうに見つめてから、再び死神に視線を移す。
「寂しいのは皆同じなのかもしれないねぇ。」
崩壊していく海の底でゆっくりと時間が進み始める。
死神の心は救われたようだった。
次フロイドが瞬きした時には死神はもう死神じゃなくなっていた。
「あぁ、名前を考えなくちゃね。
じゃあ……A。」
A、と呼ばれた人魚はどこか泣きそうな、辛そうな顔をした後に、少し微笑んだ。
「……俺を救ってくれてありがとう。フロイド。
俺の存在を双子の兄として皆の記憶を改竄しようと思う。」
フロイドは静かにその話を聞いていた。
「俺は、弱い。死神としての俺が俺は許せないんだよ。フロイド。皆を傷つけてしまった。兄と名乗る資格がないのかもしれない。」
例え、イキモノでなくても、心をもったAは自分を受け入れられなかった。
フロイドは笑顔でこう答える。
「じゃあ、俺はAチャンが自分をを受け入れられるようになったら、お兄ちゃんって呼ぶことにするぅ。」
Aは少し驚いた後、笑みを零した。
「嗚呼、そうしてくれ。約束だ。」
刹那、世界がまた光に包まれた。
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らずぴす(サブ垢)(プロフ) - マカロンさん» 長い間すみません！少しあと一ヶ月経ったら更新しまくるのでよろしくお願いします！！ (2021年2月4日 7時) (
レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 久しぶりに見たら更新されてました！あ〜!!!続きが気になります！！ (2021年2月4日 0時) (レス) id: 2dc6582dc3 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - ラムさん» 長らくお待たせしてしまってすいません……！ (2020年12月2日 19時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - mioさん» 返信遅くなってすみません！コメントありがとうございます！！ (2020年11月13日 15時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずぴす x他1人 | 作成日時：2020年9月20日 20時
