30話 ページ32
「やっほ〜。今日は俺の双子のジェイドを連れてきましたぁ。」
一ヶ月後、フロイドとかいう稚魚は自身の双子ジェイドを連れてまた現れた。
「ふふ、初めまして。フロイドからあなたの話を聞いて、お会いしたくなりました。」
フロイドとは正反対の静かに揺らぐ好奇心に俺はため息をついた。
「毎度毎度、見張りの目を盗んで良く来るなぁ。小僧達の面倒を見るために囚われてる訳では無いぞ。」
「海と島を全壊でしたっけ……?」
「人魚も消し飛ばしたんでしょ〜。」
眉を下げて煽る顔はそっくりで遺伝子はよく出来てると思う。面倒くさいのが増えた。
「てかなんでここに閉じ込められているの?
ころされたり、おしおきされないのぉ?」
「俺は人魚のブロットの化身なんだ。要は憎悪から生まれた生物。魔法石の肩代わりみたいなもんだ。
人魚たちのブロットは俺に取り込まれていく。」
「なんか難し〜。」
頑丈で冷たい檻を挟んで、双子と怪物は他愛のない話をする。最初は面倒くさがってた怪物は気づかれないうちに双子に懐柔されていった。
双子が見張りの目を盗んでここに来るようになってから、
二年が経ったころ。海の温度が少し温かくなる時期。
怪物の心境も変化していった。
「お前らも今日からミドルスクールか。兄弟協力して
助け合うんだぞ。」
その時からだった。空っぽの心に違和感が生じたのは。この感情がどんなものか表せないが、体の内側からふつふつと上がってくるこの感情。
全身の細胞が激しく鼓動する。
嗚呼“あの時”と同じだ。
ブロットが溜まり、溢れる。当然の現象だ。
普通は魔法を使った側がオーバーブロットするが、
特殊魔法で全部俺にしか害がないように施されている。人魚達のブロットを全て取り込んでいるのだ。
そう。
俺は自我がない怪物と化するのだ。
「ジェイド、フロイド……逃げ、ろ。」
刹那、閃光と耳を穿つ爆音が海に響き渡った。
1218人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - マカロンさん» 長い間すみません!少しあと一ヶ月経ったら更新しまくるのでよろしくお願いします!! (2021年2月4日 7時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 久しぶりに見たら更新されてました!あ〜!!!続きが気になります!! (2021年2月4日 0時) (レス) id: 2dc6582dc3 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - ラムさん» 長らくお待たせしてしまってすいません……! (2020年12月2日 19時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - mioさん» 返信遅くなってすみません!コメントありがとうございます!! (2020年11月13日 15時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らずぴす x他1人 | 作成日時:2020年9月20日 20時