第61話 ページ24
鬼舞辻の元へ向かっている最中、今俺は妙な体験をしている。
幻聴が聞こえるのだ。
“この世で一番何を美しいと思った？”
“生まれ変わり、って知ってるか？”
“今度は日の下で思う存分遊ぼうな！”
この声は誰だ……？そして誰に向けて言っている言葉なのだろう。
その声は何となく懐かしく感じて、とても穏やかな気持ちになる。
いけない。少しでも気を抜いたら鬼舞辻に殺される。
常に気を張っていないと───
“日の下で咲く向日葵を持ってきたぞ！”
一体誰なんだ。俺は幻聴に気を取られながらも、一歩ずつ鬼舞辻の気配の方へ歩いていった。
無限城は今までにないくらい静かで、まるで1人取り残されたようだった。
やがて一番上に存在するであろう部屋にたどり着いた。ここから鬼舞辻の気配がする。
幻聴はいつの間にか聞こえなくなっていた。
意を決して襖を開けるのにそう時間はかからなかった。
襖を勢いよく開けるとそこには鬼舞辻が待っていたと言わんばかりに月を背景に笑っていた。
今夜は満月だ。
「お前に、話がある。」
俺は言い放ってから一歩踏み出した。その途端、異常なほどまでの殺気が向けられる。
若干それに気圧されるも、俺は鬼舞辻を睨む。もう俺は屈しない。
自分の思いに嘘はつかない。
暫くして、鬼舞辻が殺気をピタリと止めた。
予想外のことに驚くも、視線は尚逸らさないでいた。
やがて鬼舞辻は俺から目線を外し月を見上げた。
そしてゆっくりと口を開く。
「夜彦……お前は以前生まれ変わりがあると言っていたな。」
その瞬間、俺は全てを理解した。
鬼舞辻は夜彦と言う人と俺を重ねている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 980人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みー - もう夢主が性癖にぶっ刺さってくるぅ！！不死川さーん！！！かっこいいっす！泣きました (2021年9月6日 18時) (
レス) id: 6d65fc1765 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - かすみ草とハルジオンさん» とても光栄なお言葉ありがとうございます！嬉しいです！！ (2020年4月9日 0時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
かすみ草とハルジオン - 夢主のキャラと言うか性格が好きすぎてヤバいです！ 普通に号泣できるぐらい凄いです！((語彙力 こんな凄い作品を読ませてくれてありがとうございます！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 36ef626f85 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - √さん» ありがとうございます！嬉しいです！！呼吸の取得おめでとうございます(笑) (2019年12月27日 12時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
√ - 尊いの呼吸・弍の型 号泣が使えるようになりましたありがとうございます (2019年12月23日 21時) (レス) id: 0e9c842430 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らずぴす x他1人 | 作成日時：2019年9月8日 18時
