第13話 ページ15
昼間は任務が少ない。やることと言えば、自身の鍛錬や刀の手入れなどだ。理由は簡単。鬼は陽の元に出てこれないからだ。
俺は自分の道場で鍛錬をしたあと、休憩にと甘味処に足を運んでいた。
そこで出会ったのは俺の苦手の部類に入る人。
「むぅ!Aではないか!奇遇だな!元気か!」
炎柱の煉獄さんだった。なぜ苦手なのかと言うと単純にこの人が超がつくほどの正義感があって優しさに溢れているからだ。こうも自分とは対象的な人は価値観が違いすぎる。
煉獄さんのどこを見てるかわからないような真っ直ぐとした優しい瞳が俺の心臓を抉る。
「元気です。奇遇ですね。休憩ですか?」
若干顔を引き攣らせながらも笑顔をキープし、言葉を紡ぐ。
「ああ!ここの甘味処は上手いからな!何百個でも食えるぞ!Aも!鍛錬はいいが無理はするなよ!」
そしてもう一つこの人を苦手な理由がある。
「はい、気をつけます。煉獄さんも無茶しないでくださいね。」
この人、炎柱の煉獄さんはかなり無理をしている。何年と嘘をついていれば他人の嘘が分かるようになった。煉獄さんは他人には超優しく、自分には超厳しい。心の裏側を見てみると、なんだか他人事とは思えないほど大変なことを背負っている。
皆が救われているその笑顔だって、時には無理やりこじつけている時があるのを俺は知っている。
自分とは対象的なのに、何処か似ている煉獄さんが俺は苦手だ。
嘘をついて、嘘をついて、嘘をつく。そうやって形成された俺は人の気持ちなんてわからないし、ましてや自分の気持ちすらもわからない。自分の心の声だって疑ってしまうほどに偽り続けてしまった。
煉獄さんのその真っ直ぐな嘘偽りない瞳を見ていると自分は何をしてるんだろうか、と思えてくる。
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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時