強豪でも高校生ですから。2

割り箸効果 ページ10

部員「ギャァァァァァー！！」



次は私と花巻の番。

肝試しの内容(？)は第1体育館、第2体育館、第3体育館を巡ってきて校門まで戻ること。

待機組は今、校門にいるわけだ。

そして音駒高校に来ています。あとづけなんかじゃない絶対。


ペアが帰ってきたと思うと皆ヘトヘトだった。

肝試しでヘトヘトになるか？

一体、何が起きているんだ。


そして私達の番になった。



　花巻「行こ、」


　『花巻…なんかあったら頼むよ』


　花巻「戦に行くわけじゃあるまいし」


おどけて花巻は笑った。


　『…いざ参らん！』


校門にいる部員達は進むたびに暗くなっていく。

響くのは足音だけ。








　花巻「第1体育館はっけーん」


　『うっす』


まずは第1体育館。

行き道で誰にも驚かされなかったのが逆に恐怖だ。



　花巻「どうすんだっけ？1周回るんだっけ？」


　『………多分？』


互いに沈黙が続く。

ブゥゥン


　『ギャァァァァァー！』


カブトムシかなんかが頭上を通りすぎた。

ギャァァァァァ、なんて色気のない声。


　花巻「おや、中田さん？大丈夫ですか？」


　『…うっせ』


　花巻「貴大くんの左手、貸してあげましょう」


「じゃーん」と言い、花巻は自分の手を私に差し出した。

いつもなら叩くところだが、


ｷﾞｭｯ



　花巻「…えっ！？はっ！？？A？！」



差し出した本人がパニクっている。

顔は暗闇の中で見えずらいけど、懐中電灯の光でちょっと見える。真っ赤！



　『あ？貸してくれんでしょうが』


　花巻「え、なんかAヤバイ。割り箸効果？」


　『……吊り橋な』

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