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story99 ページ7

その言葉にどれほど救われたか



そしてあの日がやってきた




精)母さん!母さん!

貴)お母さん!やだ!お母さんとこ帰る!!


こんなに抵抗していたのに、自分達は思いのほか脆かったみたいだ

すぐに誘拐犯である香を母と呼んだ

そして今度は自分だけ養子だと伝えられた

そこから兄は幸いにも自分が実妹ということは覚えていたが、自分は逆に兄を義兄だと思ってしまっていた

義理の兄なのにどうしてそんなに優しくするのか

兄の愛情が怖かった

自分で勝手に兄の愛情を拒絶していた


貴)俺は...俺は勝手にあんたを義理の兄貴だと思い込んで、凛音があんたの妹のはずなのに、何で俺に優しくするんだろうって...!!
腹立たしかった...あの女は俺のことゴミ扱いしてたのに、何で、何で、あんただけは俺のこと大事にしてくれるんだろうって...
それで...それで...


もう語彙力が無くなってきてる

もっと言いたいことがあるはずだ

もっと何か伝えなきゃいけないこと

そんな風に自分を追い詰めているとフワッとした感覚が自分を包み込んだ


精)大丈夫...大丈夫...


精市に抱きしめられていた

そして優しく頭を撫でられると、言葉ではない、もっと他の何かが溢れ出した
そしてその溢れ出したものは頬を濡らした

兄の前で涙を流したのは何年ぶりだろう

貴)ぅ...あ...ぁ...

一度流れると止まらない

ボロボロと大粒の涙が頬に落ちる

精)もう終わったんだ...もう終わったんだよ...
君はもう、何とも戦わなくていい...終わったんだ...



静まり返った空間の中Aのか細い声だけが響いた

貴)...よかったんだ...

精)え?

貴)放っておけばよかったんだ...俺の事なんて...
元々出来は悪いし、女らしくもない...体なんて傷だらけだ...凛音みたいにできない...
...好きなやつに素直になることもできない...

「好きなやつに素直になることもできない」

その言葉に仁王が一番反応していた


貴)あんたみたいに、何かに一生懸命になって頑張れるような...そんな出来た人間じゃねぇんだよ俺は...
あんたの妹として、あんたが周りに「こいつは俺の妹だ」って...胸張って言えるよな代物じゃねぇんだよ俺は...

精)何言ってるんだい

精市は少しだけ困った顔をすると優しく微笑んで力いっぱい泣いている妹を抱きしめた


精)俺は、今までAが嫌がると思ったからしなかったけど、本当は周りに妹自慢いっぱいしたかったよ
君は俺の大切なたった一人の妹だから

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あいりんご(プロフ) - すっげー面白すぎる!キュンキュンしっぱなし!トキメキをありがとうございました! (7月12日 23時) (レス) id: 5938cec330 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鬼姫 | 作成日時:2018年5月14日 22時

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