検索窓
今日:7 hit、昨日:24 hit、合計:78,616 hit

ページ8

「ホントにいいのかな〜この魔人ちゃんがいつか人を殺した時は見逃したアキ君の責任だぞ?」

部屋から出てきてすぐに早川はパワーの許へと足を運び、ジャケットのポケットから鍵を取り出すと拘束具を外す。

「俺たちはデビルハンターです悪魔でも魔人でも使えるモンは何でも使うべきだ。
でも敵は敵…利用するだけです。馴れ合うつもりはないですよ」

「そっか、私はお勧めしないけどさ〜」

いつの間にかしゃがみ込んでいた姫野がため息交じりに立ち上がる。

「荒井君、書類の作成一緒にやるよ〜」

「ハ、はい!」

俺の脇を通り過ぎていく二人。
パワーは手首を痛そうに擦っていた。
だけどこちらに振り向くと突然走り出し
飛び掛かってきた。

「イテッ!」

勢いが押し殺せずに廊下に尻もちをついてしまう

「ニャーコは!ニャーコはどうした?!ウヌが連れて行ったのをこの眼で見たぞ!
ニャーコを早く返せ!」

腹の上に乗るパワーに襟を掴まれてがくがくと上下に揺さぶられる。
脳みそが揺さぶられる気分の悪さにパワーの手首を掴みそれを制止させる。

「ニャーコはコベニと車!病院に行ってきたんだよ…!」

「嘘じゃ!ウヌが食ったんじゃあぁ!!ニャーコオォォ!!」

「食ってない!」

「おい、静かにしろ!」

早川の声に俺たちの動きは一瞬止まったが、

「お、おっおおお静かにお願いします!!」

先ほどの看護師からまた叱られてしまった。

看護師の大きな声にそこに居る全員の時間が止まったがそれも数秒で。
パワーは「ニャーコ!!」と叫びながら走り出す。

早川はその後を速足で追いかけ、尻もちをついている俺の脇を通り過ぎていく。

「立て」

早川は足を止めない。
言われた通りに立ち上がり、尻に着いたほこりをはらうとデンジの部屋のドアを見た。

少しだけ顔を見たい。

音を立てないようにドアをスライドすると
ベッドに座りながら何かを頬張っているデンジがいた。
おでこから出ていたものは見当たらない。

本当に魔人か悪魔…?

「早く来い」

早川の呼びかけにドアを閉めるとさっきの看護師が居ないことを確認して、少しだけ小走りで向かった。

「ニャーコ!!無事じゃったか!?人間!ニャーコをかじってはおらんじゃろうな!?」

「かかじ、かじゃって…かじってなんかないですう!」

車まで戻るとニャーコを大事そうに抱きしめているパワーがコベニに詰め寄っていたのだった。

9→←7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (217 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
539人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ブブ(プロフ) - ととさん» また読んで下さってありがとうございます(*^^*) ととさんもお体には落ちをつけくださいね!少し油断すると風邪を引きそうになりますから! (2022年12月10日 7時) (レス) id: 1b530ea863 (このIDを非表示/違反報告)
とと - どんどん面白くなっていきますね〜!!体調不良に気をつけて下さいね! (2022年12月9日 17時) (レス) @page29 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
ブブ(プロフ) - 佐藤さん» コメントありがとうございます!嬉しいです♡ ありがとうございます、佐藤さんもお体にはお気を付けくださいね(#^^#)お暇なときにでも読んでいただけたら嬉しいです♪ (2022年11月25日 20時) (レス) id: a83a72b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤 - コメント失礼します。とても面白いです!お体に気を付けて作者様の無理のないようこれからも頑張ってください!応援しています! (2022年11月25日 9時) (レス) @page15 id: 76e6162b40 (このIDを非表示/違反報告)
とと - はい!読ませて頂きます! (2022年11月25日 1時) (レス) @page15 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ブブ | 作成日時:2022年11月14日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。