検索窓
今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:78,444 hit

30 ページ30

「ゆっくり持ち上げる、いち、に、さんっ」

ベッドを直した俺たちは早川をベッドに運んでいた

あのあとデンジは悪魔の口に飛び込んで

今は悪魔と戦っている

飛び込んだのに驚いて持っていたベッドを放り出した事を

荒井はまだ怒っているけど

俺はデンジが何故悪魔に狙われているのか少しわかった気がする

デンジは頭と両腕がチェンソーになれる人間だった

特別な存在

悪魔がデンジを狙う確かな理由は分からないけど多分これが関係している

だってそれ以外だったら、彼は世間一般の高校生くらいの年齢の男の子だ

部屋の中に戻っても、悪魔とデンジの叫び声が聞こえてくる

「制服脱がせるの手伝って…」

ベッドに横になっている早川の制服を脱がせるために荒井に伝えると

何一つ文句も言わず、手伝ってくれる荒井だけどその代わり返事も一切ない

ジャケットだけを脱がせるとYシャツはボタンを外して傷を確認する

止血は完璧だった さすがパワー

「うっ…」

「休んでていいよ、ありがとう」

傷口を見て口を押えている荒井に休むように言うと、素直に姫野の所へ戻っていく。

傷は右脇をざっくりとやっているようだ

ベッドを汚さないように先ほど拾っておいたタオルを脇の下に入れようとして

早川に腕を掴まれた

「何をする気だ…」

「傷を治すんだよ」

「ふざけるな…!」

視線が合うと早川に睨まれる

そんな事言ってる場合じゃないだろうに

止血はすんだけど傷が治ったわけじゃない

「早川が言ったんだろ…」

「…?」

「悪魔でも魔人でも使えるモンは何でも使うべきで、利用するだけって」

「治すから手を退けて」と伝えると、一瞬手に力が入った

でもその手はすぐに外されて。

早川の脇の下にタオルを敷くと靴を脱いでベッドに上がった

あぐらをかいて頭の輪っかを指で前にずらし

早川の傷がちょうど真下になるようにすると

俺は目をつむり、祈るように手を組み首を前に傾ける

「ぐっ」

輪っかから雫が落ちたのだろう

早川がうめき声をあげる

痛いのは最初だけ、しばらくすれば痛みが消えて

ゆっくりと眠りに落ちていく


俺は他人を治す時、身動きが取れなくなる

頭にできる輪っかは俺の血で作られていて

強制的に涙に変換するにはひどく体力を消耗してしまうから

出来るだけ動きたくない

特に大きな傷の場合は治すのにはたくさんの涙が必要だ……



未だ、悪魔とデンジの叫び声が聞こえている

31→←29



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (215 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
537人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ブブ(プロフ) - ととさん» また読んで下さってありがとうございます(*^^*) ととさんもお体には落ちをつけくださいね!少し油断すると風邪を引きそうになりますから! (2022年12月10日 7時) (レス) id: 1b530ea863 (このIDを非表示/違反報告)
とと - どんどん面白くなっていきますね〜!!体調不良に気をつけて下さいね! (2022年12月9日 17時) (レス) @page29 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
ブブ(プロフ) - 佐藤さん» コメントありがとうございます!嬉しいです♡ ありがとうございます、佐藤さんもお体にはお気を付けくださいね(#^^#)お暇なときにでも読んでいただけたら嬉しいです♪ (2022年11月25日 20時) (レス) id: a83a72b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤 - コメント失礼します。とても面白いです!お体に気を付けて作者様の無理のないようこれからも頑張ってください!応援しています! (2022年11月25日 9時) (レス) @page15 id: 76e6162b40 (このIDを非表示/違反報告)
とと - はい!読ませて頂きます! (2022年11月25日 1時) (レス) @page15 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ブブ | 作成日時:2022年11月14日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。