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スンと鼻先が動いた

悪魔独特の匂いだ

皆の足取りが緩やかになり
次第に停止する

誰も居ないはずの扉が
ギッと音を立てた

「アキ君」

ペタっとした妙に重苦しい音
普段なら聞き逃しそうなその音も
今はやけに大きく聞こえる

「来る」

その音は更に大きさを増し
姿を現した

それは中年男性の頭部に足と手が
片方ずつついた悪魔だった

キモ…

何が起きたのかわからず
立ち尽くしていると
突然にたりと笑ったその顔は
そのまま高く飛び上がる

キツすぎる

「ひっ!ひあっあ、あああ!!」

そいつは飛び上がるとコベニに向かう。
咄嗟に彼女の腕を引いた

「捕まえた」

姫野の声と同時に悪魔は宙に浮き
短い手足をジタバタと動かしている

「浮いた…!?」

「バトルじゃ!」

楽し気に駆け出すパワー
そして指から自身の血を出すと
ナイフへと変容させ
悪魔の頭部を真っ二つに切り裂いた

「ぁわあ…アあアワあわ…」

コベニは未だに動揺しきっているようで
言葉にならない

「悪魔め!ワシにビビッて浮きおったわ!ガハハハハハ!!」

確かに浮いていた。
パワーにそんな力があるとは知らなかった

すると姫野が「違う違う私の力!」と主張した

「私のゴーストが捕まえたの!」

「ゴースト?」

「私は『幽霊の悪魔』と契約してる
私の右目を食べさせたかわりに
ゴーストの右手を使えるってワケ
透明で力持ちで便利でしょ」

右腕一つ使うのに右目一つか。
人間にとって大きな代価だ
俺達と違い失ったら二度と元には戻らない

「あ、ああア」

「…大丈夫?」

いつの間にかコベニを抱きすくめていたのに気づき
両手を上げる

「だいダダっ」

全然大丈夫じゃなさそう
コベニの大量の汗を見ていたら
こっちも汗がひどくなってくる

「どう?アキ君 銃野郎の肉片はある?」

「強い反応はなし コイツじゃないですね」

「…そっか、じゃあ上の階に行くか!」

真っ二つにされた男の顔を
目で追えなくなるまで見やると
全員で階段を上がり始めた

「さっきみたいにワシの前で己の力を
ペラペラと喋ってよいのか?
ウヌらがおるのはワシらを制御するためじゃろ?」

「力を知ってた方が連携とれやすいでしょ?
それに切り札は隠してるからオッケーオッケー」

パワーは立ち止まり
階段のテラスでコベニを端に連れ込んでいく

「ホントかの〜?じゃ、ワシがこいつを殺すと言ったらどうする?」

先ほどの様に指から凶器を出すと
パワーはソレをコベニに向け笑顔を作るのだった。

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ブブ(プロフ) - ととさん» また読んで下さってありがとうございます(*^^*) ととさんもお体には落ちをつけくださいね!少し油断すると風邪を引きそうになりますから! (2022年12月10日 7時) (レス) id: 1b530ea863 (このIDを非表示/違反報告)
とと - どんどん面白くなっていきますね〜!!体調不良に気をつけて下さいね! (2022年12月9日 17時) (レス) @page29 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)
ブブ(プロフ) - 佐藤さん» コメントありがとうございます!嬉しいです♡ ありがとうございます、佐藤さんもお体にはお気を付けくださいね(#^^#)お暇なときにでも読んでいただけたら嬉しいです♪ (2022年11月25日 20時) (レス) id: a83a72b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤 - コメント失礼します。とても面白いです!お体に気を付けて作者様の無理のないようこれからも頑張ってください!応援しています! (2022年11月25日 9時) (レス) @page15 id: 76e6162b40 (このIDを非表示/違反報告)
とと - はい!読ませて頂きます! (2022年11月25日 1時) (レス) @page15 id: 4f3997e613 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブブ | 作成日時:2022年11月14日 15時

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