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「ほな帰るわ
ほんまにマフラー借りたままでええの？」
『うん、今日も寒いし』
「じゃあお言葉に甘える」
ありがとう、と私の頭を撫でてくれる手はやっぱり温かくて、安心する。
「……1個お願いあるねんけどな」
『なに？？』
「…1回だけぎゅってしてええ？」
『……いいよ』
私が手を広げると、また悲しそうに笑ってから包み込んでくれる。
「顔見てたら言えん気がするからこのまま話していい？」
『…？うん』
「………もう会えれへん」
……嫌な予感が当たってしまった
今にも溢れそうな涙を堪えて、どうして？と聞き返す。
『私のこと嫌いになった？』
「そんなわけないやん……
大好きやで
好きすぎておかしくなりそうな位好き」
『……じゃあなんで…』
「……言えへん」
『……なんで何にも教えてくれないの』
「…………ごめんな」
私ってそんなに頼りないかな…
「でもいつか絶対全部話すから」
ぎゅっと、また私を強く抱きしめて少し震えながら鼻をすすっている康二くん。
「それまで待っててなんて無責任なこと言える立場なんかじゃないけど……
俺はAちゃんのことずっと好きでおる」
潤んだ瞳で私のことを真っ直ぐと見て、自分勝手でごめんな、って。
『ほんとだよ………』
「泣かんといてや…Aちゃんの笑ってる顔好きやねん…」
『…私だって康二くんが笑ってる方が好きだよ……』
下手したら私より泣いてる康二くん。
それは会えない理由が康二くんの意思じゃないことを教えてくれているよう。
『………待ってる
ずっと待ってるから
………大丈夫だよ
だから笑って？？』
少し背伸びをして康二くんの口角を指で上げる。
『……また会おうね』
いつ訪れるか分からない再会の日を
ただただ
待ち続ける
強がってみたけど
きっと私の方が好きで
待ち続ける以外の選択肢はなかった
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ﾍﾟﾙ(プロフ) - ゆうりんさん» 読んで頂きありがとうございます！これからも楽しんで頂ければ幸いです♪ (2022年5月13日 18時) (
レス) id: d8670e4748 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん - めっちゃくちゃ面白いです！これからも更新よろしくお願いします (2022年5月13日 6時) (レス) id: df6b20803b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾍﾟﾙ | 作成日時：2022年5月8日 21時
