5枚目 漫画とかは物分りいいけど現実だとあせる ページ5
「なるほど、別世界の人間か」
『物分かりいいじゃん。そう』
「そうかそうか!」
「そうかそうか!やないわボケェ!」
鋭いツッコミを入れるのは昨日の声の主。お前そんながたい良かったんだね。黒髪で赤眼とかオタクの初恋奪いそう。
「昨日庭におったやつやぞ!どっかからの侵入者かもしれんいうたやんけ!」
「それこそおかしい。入り口以外でこの城に入ることはどうやっても無理だ。ゾムくらいの身体能力がないとな」
「隠してるだけかもしれんやん」
「隠す必要がないだろう。」
うぐ、と赤目は黙り込む。疑いたくなる気持ちはわかる。というか疑ってる赤目が正しい。普通侵入者が「異世界から来ました!」なんて言葉信じるほうが馬鹿だ。
まぁこの場合、信じてるのは利口な馬鹿だが。
会話から察するに、赤目の男の上司がこいつだろう。この部屋も然り。こいつの仕事部屋だとするなら位が高い。城主、かどうかはわからないが。
「そういえば、カイシャとかなんとか言ってたが。なんだそれ」
『人という歯車と、体力というエンジンを使ってなけなしの金を発生させる場所です』
「そ、そんな所に行こうとしてたのか」
私だって行きたくないわ。だけど
『一つでも歯車が無くなれば、他の歯車に迷惑と負担がかかるだろ』
会社は憎いし上司は殺してやりたいが、同僚や後輩は嫌いじゃない。
「元の世界に帰りたいって言うなら構わないが。どうやって?」
『知るか』
「いや知るかって・・」
『いつの間にか来てたんだ。いつの間にかに帰れるだろ』
「ならいっそここに住むのはどうだ?」
『あ?』
「あ?」
赤目かぶせてくんな。私の事が好きなの????
「お前の国について知りたい。お前はしばらくここにいれる。どうだ?互いに有意義だと思うが」
『お前の上司頭おかしいんか』
「これでも国のトップ何やけど」
『嘘だろ』
「嘘だと思うやろ」
まじで赤目の苦労が伺えるのだが。だからお前そんな寝不足みたいな面なんだ。
「俺が否定するならともかく、お前が否定するのは得策ではないと思うが」
『なぜ』
「無一文の女が街でどう生きていく」
痛い所を付かれ思わず口が止まる。
「身の振り方が決まるまでで構わん」
『えー』
「渋った顔すんな」
そこまで言われれば断るどおりはない。コチラにとってもありがたい提案だが
『じゃあ何すればいいの』
「?」
ただで置かせてもらえるわけ無いだろうし、今のうちに仕事を決めてほしい。
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ねこ娘(プロフ) - うあ〜〜とても面白いです泣いてしまう…正論しか述べない主人公とても好感が持てます、こんな大人になりたかった……主人公を攫ったのが日常組だとわかった時のなんとも言えない笑みの溢れる感覚、素晴らしかったです(マニアック)続きも楽しく読ませていただきます! (2021年1月18日 2時) (レス) id: 5a39984025 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 会社の説明草 (2020年10月10日 18時) (レス) id: f170f9c90f (このIDを非表示/違反報告)
もちねこ。(プロフ) - まじむりですすきです (2020年8月26日 16時) (レス) id: 060862f232 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。@str48&変人系カップル(プロフ) - めっちゃ...好きです。 (2020年8月13日 3時) (レス) id: 024f1c0ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ムギ - 続き待ってます!無理しない程度に頑張ってください! (2020年7月22日 0時) (レス) id: 93c05af962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧月 | 作成日時:2020年3月26日 12時