宣言、利己主義者になろうと思います。

60話目 ページ10

『・・はぁ』

朝登校してため息つくの何回目だ。もう数えるのもやめた。

黒板に貼ってある写真を取り、クソみたいな落書きを消す。

「あら、折角綺麗に撮られていたのに。消してしまうの？」
『朝から暇人か？』

私の手に握られているのは写真。被写体は、昨日の私と後輩。後輩の顔は見えていないが、私の顔はばっちり写ってる。後輩の顔が写ってなくて本当に良かった。

「キョウカさんにその気があるとは思いませんでした」
『お前本当に口調といい考えといい遅れてんのな。大正時代あたりから生きてんの？ババアかよ』

三人対一人の間で火花が散る。

「キョウカさん？」

それを消したのは、いつものように夢見だ。うわ、来んな。

「っと、西園寺さんたち・・ど、どうしたの」
「はぁ？あんたに話しかけてないけど？」
「おじゃま虫は消えろよさっさと」

毎度毎度双子のあたりが強すぎて草。私自席に戻ってもいいかな。

「・・あ！いーこと思いついた！」
「どうしたの？」
「ほら！夢見っていっつもこいつにくっついてるじゃん？だからきっとこいつのこと好きなんだよ！」

公式捻じ曲げカプ厨みたいなこと言ってんな。二次創作に帰ってどうぞ。

「あらそうなの」
「じゃあきっとキスしたいよね！ね！」

飛躍させすぎてて草。

「えっ！そ、そんなこと」
「みんなもカップルの誕生見たくないー？」

双子の一人はクラスに呼びかける。小さいながらも、見たいかもなんて無責任な発言が飛び出てくる。

「ほらみんなみたいってー！」
「早くキスしなよ、ほら、キース！キース！」

いや小学生かって。

よくわからんノリがクラスの全員に伝わり、キスコールがクラスを響かせる。

「しないと、もっと酷い目に合うかもね」

いや脅しかって。

いや、暴力だなこれ。集団で受ける声の暴力って糞うるさいし最低だし糞うるさい。

夢見は弱者なのか演じてるのかわからないが、私の方とクラスの方を見て肩を震わせる。え、あの、そろそろチャイム鳴るんですが。

なんでトントンいないんだよ！あいつ！朝なんか集まりあるみたいってこの前言ってたなぁ！それか！

さて、どうするかと策を練ってると


kn「うるせぇな、なにしとるん」

コール以外の音。ドアの音に全員の声が消える。コネシマじゃん本当に朝来てくれんのね。

あ、いいこと思いついた。嫌がらせとこの場を収める一つの方法

『シッマ』

手でちょいちょいと誘えば、忠犬のように私のもとに来る。

kn「お前、家出るとき連絡しろって言ったやん」
『それは素直に忘れてた』

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