68話目 ページ18
解離性同一性障害。
私と彼女の性格が違うのも
私がこの身体で生まれてきたのも
一つの身体を二人で共有できているのも
『・・なるほど』
今まで思い浮かばなかったが、そう考えればぴたりと当てはまる。
『私は彼女の人格から派生した存在ってことか』
kr「そういう事になる」
あんまり驚かないな。実感がないってわけでもないが、やっぱりしっくりくるというか。
kr「彼女は仲間の前で嘘をつき、糾弾され、ボロボロになりながらも最後の力を振り絞って僕と彼らに頼みごとをした。」
『ま、だろうな。私は頼みごとした記憶がない』
kr「その後は全部君だね」
牢獄で産まれた私という存在は、その瞬間から死への階段を目の当たりにしてた。
kr「君の最後は静かだったね。処刑時の自爆も君が？」
『いや、彼女に頼まれた。仲間の手にかかるくらいなら、ってね』
体の半分を切り裂かれたような痛みの中産まれ、絶望と悪意と恨みを背負って私は死んだ。
周りが敵だらけなんて、前世に限ったことでもないが。
『記憶については納得したけど、方法については一ミリも説明がないのだが』
kr「あぁそれなら説明はすぐ終わる」
ほう？すぐ終わるで済ませられる事態ではなかったけど。
kr「薬の効果を切らすため」
『薬の効果？』
kr「もう聞いてるかもしれないけど、彼らが君のことを覚えてないのは僕の薬によるものだ」
それはコネシマが言ってたな。
kr「君に関わるすべての記憶をすべて消去する、そんな薬だ」
『よくそんなの作れたね』
kr「成分は詳しく言えないけど、君の細胞を使ってるからね。作れないことはない」
いや自分の細胞使われの？さらっていわれたけど少し引いてるからね私。
kr「ただそんな薬、いきなりは作れない。そこで試薬品を作った」
『試薬品』
kr「僕の細胞を使ったものをね。効果は効きすぎたね」
『・・・ん？先生の、細胞？』
kr「まさか前世の記憶すべて忘れるとは。改良してよかったよ。あの時の君は、まだ薬の効果があまり出てなかったから」
『私か！！』
実験体にされてたのか私！
kr「だけど、この薬はずっと続くわけじゃない。効果が切れるのは時間でも解毒薬でもなく」
『それで、キス？』
kr「その人の細胞を主に使ってるから、当人のキス、というか粘膜接触でないと切れないけどね」
分かりやすくしようか、と化学式を書かれそうになったので止める。それ分かりにくいやつ
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レス) @page9 id: 5aa1bb0c09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2020年1月24日 16時
