宣言、利己主義者になろうと思います。

67話目 ページ17

kr「君は、自分の身体の中に魂があることを知ってるかな」
『魂？』
kr「そう。普通魂・・まぁ、精神だね。精神と身体は産まれたときも死ぬときもほぼ同時に死ぬ。そうすることで、次に転生するとき前世の記憶を持てるから」
『はぁ』

kr「だけど、君の場合は・・まぁ、前世の彼女は精神が先に死んでしまった。そのせいでタイムラグとズレが生じて、心と身体は2つに分裂し、別の世界へと転生した」

もしかしてこれ難しい話？

kr「こっちの精神は屋上から飛び降りたという恐ろしい経験から前世の記憶を呼び起こした。

現世の彼女は恐怖に耐えきれず死んでしまい、どうにか身体だけでも維持させようと、前世のみの記憶を人格として確立させ、弱いながらも植物状態を避けた」


『うん』
kr「2つに分裂したものを2つに分裂したら力が足りなくなる。だから、もう片方を呼び出して身体を動かす精神力を得た。分かった？」


『こっちの世界を優先したってことだろ』
kr「そうだ」

まぁ私の身体は死んだらしいから、構わないんだが。

kr「死ぬ直前に2つに分裂し体を守る、そんな器用なことが前世ではできなかったなんてあると思うかい」
『・・・うん？』
kr「話を戻そう。前世の彼女は精神が先に死んだ。多大なるショックを受けてね。」
『うん』

kr「なら、身体は？」
『身体・・・』
kr「身体を動かすには精神が必要だ。植物状態になってしまうからね」
『そう、だね』
kr「もう1回聞こう」


kr「君の記憶は、どこから始まってる？」
『・・・それ、は』



少しおかしい気はしてた。前世と現世でここまで性格が違うのかと。

もう一つの可能性なんてはなっから除外してた。ありえないと思っていたから。


ありえなくなかった。


彼女が死ぬ直前、別の人格を生み出せるとしたら









『解離性同一性障害・・！！』
kr「身体を守る唯一の方法だった」

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