6件目 下準備くらい終わってる ページ7
gr「用意周到だな」
『当たり前ですわ』
馬車を見上げて感心するグルッペン。国を壊すって口だけじゃないんだよ。と、私はドヤ顔をする。
脱獄後、まだ寝ていた兵士の身ぐるみを剥いでグルッペンに着せる。そのまま人の目につかぬようにだけど堂々と裏口に進む。
門を抜けたところに御者と馬車。こちらに気づいた彼女は手を上げる。
『おまたせ♡待った♡？』
「キッショ近寄るな」
『殺すぞてめぇ』
いつもどおり冷ややかな目で私の挨拶を受け取り、御者はグルッペンに目を向ける。そして
「敗戦国の親玉が今更なにしてんの？」
gr「・・・」
口が悪いというか、本音が出てしまうというか。私はこれを彼女の美点と思うが、他の人からしたら汚点だろう。
二人の視線の間に入り、御者の手をつかむ
『私のパートナーに酷いこと言うなよ。嫉妬？愛してるのはお前だけだって』
「ねぇ頼む死んでくれ切実に」
『当たりきつくない？なんなの第三者がいると興奮しちゃう質なの？』
「私以外と会話してるならそう言ってくれ、二度と話しかけないから」
御者は手を払い自身の手を泥になすりつける。照れ屋さんだなも〜。グルッペンはドン引きしてる。
御者は腰に手を当て私達を見る。
「いつでも出れるけど。なに、何しようとしてんの？」
『あぁそうそう』
言うの忘れてた危ない危ない。
『この国壊すからさ、あんた暫らくどっか行っててよ』
「はいはい」
受け流している、のではなく了承の返事だろう。
gr「信じるのか」
グルッペンの問に御者はため息をつく。勿論と言うのもだるいのだろう。
「他の人間が聞いたら嘲笑うような、馬鹿なガキが抱く夢を、こいつは現実にする力があるもの」
『ねぇ今馬鹿にした？』
遠回しに馬鹿にしたよね。
「したけど？」
『不敬罪で処刑してやる』
「あら、その前に反逆罪で告発してあげる」
『やだ心中？ロマンチックじゃない』
「死んでどうぞ」
まだおちょくっていたい。しかし、二人の間に入ってると前後の視線でそろそろ体に穴が開く。そろそろ出発しようと声をかけて馬車に乗ることに。
gr「さて、それでは」
『ん？』
向かい合わせで座る私達。
内装は、まぁ、至って普通の馬車を想像してくれれば結構です。
箱型の客席。座り心地の良い椅子。景色が流れていく窓。御者席につながる窓はグルッペンの方にある。こっからだと御者のけつしか見えないが怒られるので何も言わないでおこう。
あぁえっとなんだっけ、何か聞きたそうだったな。
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ネメ - grちゃん視点のヘラちゃんのシーンマジで鳥肌立ちました...文才神... (5月18日 1時) (
レス) @page22 id: eb05b364fd (このIDを非表示/違反報告)
ノコキノ - めっちゃ面白いです！夢主の性格がなんかカッコイイし…！更新頑張って下さい！続き楽しみです！ (2022年3月2日 16時) (レス) @page46 id: d2ad17c9e0 (このIDを非表示/違反報告)
himahima(プロフ) - え...かわいい...好きです (2021年7月28日 4時) (レス) id: aa9925d685 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく(プロフ) - 今更見つけました()好きです、更新待ってます！ (2021年4月3日 1時) (レス) id: c9684e4af6 (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 突然の東方要素(好き) あっ、(この作品)すきです。 (2021年2月1日 21時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月9日 12時
